[携帯モード] [URL送信]

AST(00中編)
いしんでんしん
「ハレル……ヤ?」



ライルはハレルヤの家を訪れて驚いた。
ハレルヤの足にぎゅっとしがみついている子供がいるのだ。
チラチラとライルを見ては、直ぐに隠れてしまう。
「なにこれ」
「兄貴の子供」
ハレルヤが言うとニールはぶんぶんと首を横に振る。
「……っ!」
「違うって言ってるけど?」
「こいつが例のアレルヤが拾ったガキだよ」
「ああ、これが」
ライルがじーっとニールを見ると、ニールはまたハレルヤの影に隠れてしまった。
流石にライルもムカつく。

(これだからガキは嫌いだ)

それを見てハレルヤは笑った。
「ニール」
「?」
ハレルヤはニールの頭を撫でると、ライルを指差す。
「こいつ、この前のプリン作った奴」
パティシェっていうんだぜ、とハレルヤは説明する。
「!」
急にニールの表情が輝いた。
「キラキラするなっ!」
ライルは思わず引きつる。


「俺、ガキ嫌いなんだよ」
「………!」
「ハレルヤにくっついてろ」
「…………」
「プリン?今日は休日だから嫌だ」
「………っ!」
「褒めても駄目」
「!!」
「え?今までで一番美味かった?」
コクコクコクコク
「……仕方ないな、あれには高いバニラビーンズがいるんだよ」
「……………」
「なくてもいい?じゃあコンビニで安いプリン買えよ」


唖然としていたハレルヤがそこで漸く突っ込む。
「おい……ライル」
「あ?」
「お前、こいつが言ってることわかるのか?」
「うん……」
あれ?そういえば何でだろ?とライルは不思議そうに首を傾げた。
ニールも同じ様に首を傾げる。


(アレルヤに言ったら煩そうだな……)



ハレルヤは溜息を吐いて、会話をしている(らしい)二人を眺めた。






-------


ライルはパティシェで、ハレルヤ(シェフ)の同僚です。
何故かニールの言葉がわかります(笑)




[*前へ][次へ#]

3/70ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!