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家族ゲーム(00連載)
15(1)
慣れというものは恐い。


それはバイト中、棚の上にあるナプキンの換えを取ろうと脚立に乗っていた時のことだった。
(後……少し)
目一杯伸した手が目的のものに触れたとき。
視界がグラリと回転した。

「危ない……っ」

店長の声を認識したときには、ニールの身体は思い切り床に叩き付けられていた。





***



「ニール!」



「ライル」
病院から出ると、調度ライルが走ってくるところだった。
スーツは乱れていて、急いで駆け付けてくれたことがわかりニールは申し訳ない気持ちになる。
「ニール……腕」
ライルは包帯の巻かれたニールの腕を見ると真っ青になった。
そんなライルに慌ててニールは言う。
「大したことないんだ!ちょっとヒビが入ったから固定してあるけど……三週間くらいで取れるって」
「そう……」
大袈裟に固定されたのには別の訳がある。

「ただ、右手だから……」

今まで気付いていなかったけれど、ニールは病院内を歩いていて身を保って知った。
右目で見えない部分を、かなり右手が補っていたらしい。
外に出るまでの間にも、何度も壁に身体をぶつけた。
「ライルに……迷惑、かけるな」
ニールは落ち込んだ様に俯く。
「俺……三週間くらい、ホテルにでも」
「馬鹿言うな」
ライルは怒りを浮かべた表情でニールの左手を掴んだ。
「迷惑なんて、あるわけないだろ」
「ライル……」
「三週間くらい大人しくしてなよ」
長期休暇だと思って、とライルはニールの肩をポンポンと叩いた。

「うん……」


ニールはじんわりと伝わるライルの熱に泣きそうになった。



(ごめんな……ライル)



腕を怪我したのは偶然だ。
だけど、いずれ自分の目は酷使している左目も見えなくなるかもしれない。
ライルはそれを承知で側にいることを選んでくれた。


けれど。



(ライルには………ハレルヤが、いる)



自分は邪魔、な存在。
ライルにもハレルヤにも……そして、アレルヤにも。




突然の怪我で、ニールの心には暗い陰りが見えた。






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怪我ネタを…書きたかったので;

シリアスと見せかけて御約束Hネタも振り込んでいきたいです。
……お風呂の介助とか(笑)





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あきゅろす。
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