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家族ゲーム(00連載)
お月見


「アレルヤ」




世界一甘い声で僕を呼ぶその人は。
サヤサヤと揺れるススキを手土産に帰宅した。
「団子とビールも買ってきたから月見しようぜ?」
「月見、ですか」
ベランダに次々と用意されていく月見セットを僕はぼんやりと眺めた。


ああ、今日は満月か。
促されるままに座ってビールを受け取る。
お前は少しだけにしておけ、と笑う彼の手にも同じビールがあった。
「月に乾杯」
そう言ってニールは笑うけれど。
「今夜は曇りで月見えてないですね……」
僕は溜息まじりに言った。
本当ならあの鼠色の雲の後ろに黄金の月があるはずなのに。
きっとそれは綺麗なんだろう。
キラキラと静かに輝いて。



誰かのように



「見えない……」
僕が再度呟くとニールはかすかに笑った。



「でも……アレルヤの顔は見れるから」


どうせ月が出てても見ないし
そう言って笑った。


僕は真っ赤になった顔で俯いた。
たしかにそうだ。
僕もニールばかり見ている。



「でもやっぱり少し残念です」
「ん?」



月光の下で光り輝くニールは。
きっと凄く美しかっただろうに。










END


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アレニルアレか?(笑)
らぶらぶです(*´∀`*)





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あきゅろす。
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