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■リクエスト企画2010■\(^o^)/
大近様【家族ゲーム】*
【ライルがハレルヤに珍しく甘える(裏)】






定時に帰宅したライルは玄関の鍵を閉めてから、相変わらず暗いままの部屋に眉を潜めた。


最近この部屋の同居人は忙しいらしく、擦れ違う日々が続いている。
顔を合わせたとしても、それはほんの数分だ。
隣に住む兄の話を聞くと、どうやらそれはハレルヤに限ったことではないらしい。
『寂しい』と目を潤ませたニールはとても可愛くて、その素直さがライルには少しだけ羨ましかった。


今更ニールの様にはなれない。
ハレルヤとアレルヤが違う様に、自分とニールは違うのだ。




***



暗いリビングをぼんやりと眺めていると、ガチャリと背後の玄関の鍵が開く。
ニールだと思い、何とか笑みを貼り付け振り返った瞬間、ライルは固まった。

「なんだ、電気もつけないで」

ライルを驚かせた人物は、気怠げな表情で電気をつけてライルの横を通り過ぎていく。
「ハレルヤ…」
「んー?」
ハレルヤは鞄をソファーへ放り投げるとキッチンへと向かい、ライルに言った。
「コーヒー、お前も飲むか?」
「あ、あ」
ライルは頷きかけて、もう夜も更けてきたことを思い出す。
「夕飯はどうする?」
「今からバイトだからいらねぇわ」
「………」
「お前の兄貴に言っとけよ」
「わかった」
前にハレルヤと一緒に食事をしたのはいつのことだろう。
ライルには直ぐに思い出すことが出来なかった。
「深夜のバイトは割が良いんだ」
そう言いながらハレルヤはコーヒーカップを手にリビングへ戻ってくる。
そして、立ち尽くしたままのライルの顔を見ると笑った。
「そんな顔すんな」


(そんな顔って、どんな顔だよ)


でもきっと情けない顔なのだろう、とライルは思う。
言い様もない気持ちが胸を支配している。
そんな自分に困惑していると、ハレルヤがライルの頬を撫でた。
「酷くしたくなるだろ」
そう言ってハレルヤは今度はニヤリと笑う。
「寂しいんだろ?」
見透かされた気がしてライルは言葉に詰まった。
そんなライルに、ハレルヤは更にニヤニヤと笑う。
「ハレルヤ行かないで、て言えよ」
「言えるか」
からかわれて、ムッとしながら言い返すと、溜息混じりにハレルヤが言った。
「兄貴と違って素直じゃねぇな」
「…………ほっとけ」


慣れているはずの酷い言葉に、珍しく傷付く。
そんな自分にライルは驚いた。
零れそうな涙を必死に我慢する。
それを見て何故か嬉しそうにハレルヤが言った。
「可愛いな……」
「!!」
かあっと、赤くなったライルの耳元にハレルヤが甘く囁く。
「その顔、そそる」
「……っ」
ライルはハレルヤを睨んで心の中で毒づく。
(お前こそ、なんだよそのスケベな顔っ!)


「行かないでって、言え」


ハレルヤの声は口調とは裏腹に、真剣だった。
いつもは逆らうことしかしなかった自分。
もしかしたら、自分は弱っているのかもしれない。
喉につかえていた言葉がスルリと出た。



「行くな……」



「ラ、イル」
自分が命令したくせに、ハレルヤが身じろいだ。
珍しく動揺したハレルヤに、ライルは少しだけ気分が良くなる。
それと同時に愛しさが込み上げた。
「行かないで、」
縋る様にハレルヤの腕を掴む。
一度言葉にすると一気に色んなものが弛んだ。
「……ハレ、ルヤ」
ぐずぐずと、押さえていた気持ちがポロポロと零れ落ちる。
「側に……いろよ」


(独りにするな)


独りにされると、ハレルヤのことを考える。
ハレルヤのことしか、考えられない。
考える度に好きになりすぎて、困る。
だから、側にいてほしい。


(これ以上、お前のことを、考えたくないんだ)



「……参った」
飾り気のないストレートなライルの言葉に、ハレルヤは困ったように苦笑する。
「……帰ってきて良かった」
「え?」
「報われるもんだな」


(そうだ、いつも、そうだった)


ライルが帰宅すると、疲れた顔でソファーに蹲って眠っていたり。
コーヒーだけを飲んで、慌だしく出ていったり。
会話を交わしたり、二人でゆっくりと過ごすことはなかったけれど。
休む時間を削って、無理をして、それでもわざわざ帰ってきてくれていたのだ。


(俺に……会いに)


漸くそう気付いた瞬間、ライルは堪らなくなってハレルヤに抱き着いた。
「………っ」
「どうした?」
らしくない甘い声で、ハレルヤはライルの背中を擦る。
ライルはぼやける瞳を閉じて、額をハレルヤの胸に押し付けた。
「ハレ、ルヤ」
日向の匂いがする。
「今日は、もう離れたく……ない」
「ライル……」
「寂しい、んだ」
酔った時みたいに、頭がクラクラした。
身体中の熱が顔に集まる。
何とかしてほしくてハレルヤを見上げると、苦しげにハレルヤが顔を歪ませた。
ライルは潤んだ目でハレルヤを見つめたまま、そっと手を下へと降ろした。
「これ、ちょうだい?」
「あ?」
「ハレルヤの、飲みたい」
とろとろと思考が溶ける。


ハレルヤの全てが欲しかった。
心でも、身体でも、感じたかった。




息を飲むハレルヤをソファーに座らせて、ライルは微かに膨んだ彼のデニムの前を開く。
それから、少し乱暴にハレルヤの性器を取り出して口に含んだ。
「んん、」
「馬鹿……っ」
久し振りの行為に痛いくらい心臓がドキドキする。
柔らかいハレルヤ自身が、段々硬度を増してくるのが嬉しくて、夢中で舌を絡ませた。
「ふぁ、んん、」
「………っぁ」
珍しくハレルヤから吐息が漏れて、ライルを更に熱くさせる。
尖端の割れ目に舌を這わすと、じんわりと苦味が増す。
ニール以外の精液を、欲しいなんて思う時がくるなんて思わなかった。
兄のように甘くはないけれど、苦くて美味しい。
(そんなこと口に出して言えないけどな)
「んん、」
尖端は咥えたまま、ドクドクと脈打つハレルヤ自身の竿を撫でる。
「………っ」
ハレルヤがライルの髪を掴んで、グッと性器を喉の奥まで咥えさせた。
「んくっ」
次の瞬間、断続的にライルの口内に粘ついた蜜が噴き出される。


ライルは微かに噎せながら、ハレルヤ自身を吸い上げて残液も飲み干した。
「濃い……」
何だか嬉しくなる。
「馬鹿、嬉しそうな顔すんな」
ハレルヤは苦笑いするとライルの頭を優しく撫でた。
「歯止めきかなくなる」
ライルはハレルヤにしがみつくと唇を寄せる。
「歯止めなんて、いらない」
「あのな……」
ハレルヤが何か言う前に、ライルはその唇を塞いだ。
「………ん」
ちゅ、ちゅと甘えるようにキスをすると、観念したようにハレルヤがライルの頭を固定して深く口付ける。
「………っ」
息が出来ないくらいの激しいキスに、身体が震えた。
「ん、んんっ」
空気を求めてライルは喘ぐ。
その間にハレルヤはライルのシャツを器用に脱がして床へと投げた。
「ぁ、あっ」
強く抱き込まれて、ライルは思わずのけ反る。
ハレルヤの瞳が金色に光った気がした。
ハレルヤの犬歯がライルの鎖骨へと柔らかく食い込む。
「ハレ、ルヤ……」
このまま、食いちぎられても良いと思った。


「ん……くすぐったい」
「笑うな」
鎖骨をガジガジと甘噛みするハレルヤは、産まれたばかりの子狼みたいで可愛い。
「………っ」
しかし、そんなことを考える余裕があったのは一瞬だった。
緩く与えられた刺激は、ゆっくりと下半身に熱となって集まる。
「あ、あ……っ」
ハレルヤの歯が、ライルの胸の突起に当たった。
「ひ……っ」
「ここ、硬くなってしこってる」
グニグニと指で押し潰されて、痛いくらいに擦られる。
「下も、硬くなった」
腰に当たるライル自身をハレルヤが揶揄うと、一層熱が集まった。
「………や」
じわじわと下着が濡れていく感触が気持ち悪くて涙が滲む。
「ひぁっああっ」
コリコリと胸の突起を転がす様に舐められてライルは首を横に振った。
「やっ、はれるやっ!」
「…………」
「や、んんっ」
ライルは嫌がりながらも無意識にハレルヤに腰を押しつけてしまう。
ハレルヤは薄く笑うと、ライルのウエストから手を差し込んだ。
「やぁ…んっ」
きゅっとライル自身を緩急をつけて握ると、ライルは喉を震わせて可愛く喘ぐ。
「ベタベタだな」
「んんっ、はぁ」
熱い吐息がハレルヤの首筋に触れる。
「脱がしてやるから腰上げろ」
「ん……」
素直に腰を上げたライルからズボンを下着ごと抜き取ると、白い裸体が部屋に浮かび上がった。
首筋から胸元まで、ハレルヤがつけたピンク色の所有の証が舞っている。
それは綺麗で、恐ろしく妖艶だった。
暫く堪能していると、ライルが焦れたようにハレルヤの性器を握り込む。
そして、息を飲んでそろそろと腰を降ろした。
「う……っ」
徐々に入り込んでくるハレルヤにライルはイキそうになるのを耐える。
「ひぁ……ん」
括れた尖端がうまく入らなくて身を震わせた。
どうしようもないもどかしさにライルがハレルヤを見ると、彼は眉を寄せてからライルの腕を自分の首に回す。
「時間切れ」
「ひ……っ、」
ぐちゅり、と音がして一気にハレルヤが最奥へと切り込んできた。
「あ、あ、」
チカチカと目の前に星が舞う。
我慢出来ずにライルの性器からは蜜が零れていた。
急にイカされた身体は、まるで全身が性感体になってしまったみたいだった。
ハレルヤと触れているところ全てが熱い。
「動くぞ」
「や……まだ、イッたばかり」
まだビクビクと蜜を零しているライルの腰を掴むと、ハレルヤは勢い良く突き上げる。
「あ、ああぁんっ!やぁっ!」
怖いくらいの快感にライルは必死でハレルヤにしがみついた。
卑猥な音と共に、ライルの蜜がソファーとハレルヤを汚す。
「ふあぁっ!いい、っ!」
ギシギシとソファーが軋む音がした。
その音に紛れて、掠れたハレルヤの声が聞こえる。
「いつになったら、俺だけのもんになってくれるんだろうな」
「ばっ……、」
「……っ、締め付けんな」
「誰のせ…っ、あぁっん!」
胎内のハレルヤが更に大きく膨れ上がる。
体積の増した凶器で突かれて、ライルはまたイッてしまった。
それでもハレルヤは許してくれない。
「も……やぁ、んっ」


しがみついた身体を抱き上げられて、ライルはまた甘い声を漏らした。







***



ライルが目を覚ましたとき、そこにはハレルヤの寝顔があった。


珍しく安らかな表情で、微かな寝息をたてながら眠っている。
(寝てるときは可愛いのにな)
サラサラと額に零れ落ちるハレルヤの前髪を撫でながら、ライルは微笑んだ。
いつの間にベッドへ来たのか、ライルに記憶はない。
ソファーからバスルームまでは覚えているのだが。
年下の恋人はやけにすっきりした顔で寝ている。


(こっちは疲労困憊だ……)


じっとしていても、全身に鈍い痛みを感じた。
それでも、気持ちはとてもすっきりとしている。
ハレルヤに泣かされながら、大分色々口走った気がするが思い出せない。
恥ずかしくて、思い出したくもない。
「そういえば、バイト……クビかな?」
割が良いと言って喜んでいただけに、それに関しては少しだけ申し訳なく思う。
それでも、最近顔色が悪くて疲れているようだったから内心ほっとした。
「あまり、無理……するな」
ライルはそっとハレルヤの胸元に頬を寄せた。
トクトクという鼓動が心地好くて、安心する。
そのまま擦り寄ると、ハレルヤが微かに呻いてライルの身体を引き寄せた。
起こしたかとドキドキしたが、どうやら無意識らしい。
ライルは苦笑すると、そのままゆっくりと目を閉じた。




もう全てお前のものだよ、と……いつ言おうか悩みながら。










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大近様>>>
この度はリクエスト有り難うございました!(≧∀≦*)←この顔文字へのラブも有り難うございますっ(笑)

なんか……甘えてねぇっΣ( ̄□ ̄;)
て、感じですいません〜っ(泣)
何故、夏霧のハレライは甘くないのでしょう;
でも普段中々書けないハレライの日常(?)が書けて楽しかったです〜!

大近様のハレルヤがとてもツボで、恋しく思い出しながら書きました〜!
有り難うございました(*´∀`*)




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