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■リクエスト企画2010■\(^o^)/
美佳様【AST】
【ニールとグラハムでほのぼのラブラブな話】







それは昼休みのことだった。


午後から出勤のグラハムだが、その日はニールのために昼前には出勤していた。
昼のレストランは戦争だ。
まだ仕事中のアレルヤの代わりに、グラハムはニールにランチを食べさせてあげた。
ふわふわのチーズオムレツにはフレッシュなトマトソースをかけて。
パンケーキには以前ライルから薦められたクマの焼き印を押した。
「美味しい?」
「!!」
コクコクコクコク
ふにゃふにゃと蕩けたように笑うニールに、グラハムはいつも胸がほんのりと温かくなる。
シェフになったのはなんとなくだった。
自分の料理が特別だとは思わない。
料理とは科学で、所詮実験のようなものだ。
しかし、ニールに出会ってから変わった。
自分の料理が人の血となり骨となり、形成するのだ。
生半可な思いでは作れない。
それをニールに教えてもらった。


きっと自分は。
ニールに会うためにシェフになったのだ。


(アレルヤには悪いが、ニールの専用シェフは私のものだ)
食べ終わったニールの口元をナプキンで拭くと、擽ったそうにむずがる。
ふにふにのほっぺが可愛くて、グラハムは思わず笑ってしまった。
不思議そうに首を傾げるのがまた可愛い。
「はい、オレンジジュースだよ」
「!!」
食後はいつもオレンジジュースを飲みながらニールの身振り手振りの話を聞く。
ライルのようには無理だが、最近はなんとなくニールの言っていることがわかってきた。
一方的ではなく、こちらもわかろうと受け止めることが大切だ。
そうすると自然にニールの気持ちが伝わってくる。


その時、ニールが何かを思い出したように固まった。
「………っ」
「どうした?姫」
あわあわと落ち着きなくキッズルームを指差す。
グラハムはニールを椅子から下ろしてあげた。
するとすぐにキッズルームに飛び込み、何かを掴むとまたすぐに戻ってくる。
「………」
そして、じーっとグラハムを見つめた。
グラハムは苦笑する。
(そんな熱い眼差しで見詰められると困るな…)
「姫?」
グラハムが問い掛けると、ニールは顔をピンクに染めた。
もじもじと手に持っている何かとグラハムの顔を交互に見る。
グラハムはしゃがみ込みニールの頭を撫でた。
すると嬉しそうに目を細めてから、手に持っていたものをグラハムに差し出す。
「!!」
「これは……」
お世辞にも綺麗とは言えないラッピングが施されたものからは甘い甘い匂いがした。
バニラの香り。
今日のニールの香りだった。
「私にくれるのかな?」
コクコク
「ありがとう」
ぶんぶん
ニールは首を横に振ると自分が頭を下げた。
グラハムは緩く結んであるリボンを丁寧に解く。
ニールが結んでくれたのは一目瞭然だ。
女性のドレスのリボンすらこんなに丁寧に解いたことはない。
中から出てきたのは色とりどりのクッキーだった。
「可愛いクッキーだな」
ニールのクッキーは何度か食べたことがある。
しかし、今日のクッキーはなにやらいつもと違っていた。
ハート型ばかりだったし、うっすらと卵の殻のようなものも見えた。
それが逆にグラハムの頬を緩ませる。
「いただくよ」
クッキーを一かじりすると、パリと音がした。
ジャリジャリと殻が砕ける音がする。
「!!」
ニールがあわあわとグラハムに手を伸ばした。
「ん?大丈夫だよ」
美味しい、と言うとキラキラとニールの瞳が輝く。
お世辞ではない。
本当に美味しかったのだ…泣きそうになるほどに。


ニールが大人になったら、一緒に小さな店をするのも良いかもしれない。
料理を作る自分の横でニールがお菓子を焼いている。
そんな幸せを思い描く。
ニールには小舅が多いから実現には時間がかかりそうだが。



「愛しているよ」



ちゅ、と頬に唇を押し当てるとバニラの香りが漂う。
ニールはふにゃりとグラハムが大好きな蕩ける笑顔で笑った。













(……グラハムさん、自分の誕生日気付いてるのかな)
(なんか……入りにくいな)
(………キス…キスした)



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みかちゃん>>>
リクエストありがとうございました(*´∀`*)
友達だからって最後にしてしまってごめんなさい(汗)
グラハムさん楽しく書かせていただきました!
また是非遊んでくださいm(__)m



グラハムさん!
お誕生日おめでとう〜っ*:*・°ヽ(´∀`)ノ°・*:.






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