■リクエスト企画2010■＼(^o^)／
3/3
<<<
***
それはグラハムの一言から始まった。
「姫、一緒に温泉に入ろう」
「「「「！！！？」」」」
夕飯も済み部屋に戻ってそれぞれ穏やかな時間を過ごしていたが、一気に衝撃が走る。
言葉もなく固まる一同を気にすることもなく、グラハムはニールに向かって両腕を広げた。
「おいで」
「！！」
コクコク
嬉しそうに駆け寄ったニールを抱き上げて出て行こうとするグラハムを、我に返ったアレルヤが慌てて止める。
「グ、グラハムさんはゆっくり温泉を堪能してくださいっ！」
「姫をゆっくり堪能…」
「ニ、ニールは僕が入れるのでっ」
皆まで言うな、とアレルヤはグラハムの言葉を切った。
周りも無言で頷く。
しかし、グラハムもまったく引かなかった。
「君こそ、たまにはゆっくり一人で入ったらどうかな」
「お、おおおお気遣いなく！！」
「？」
ニールは異様な雰囲気にキョロキョロとする。
それを見てハレルヤが冷や汗をかきながら手を上げた。
「じゃあ、俺が」
「ハレルヤくんはライルくんと入るんだろう？」
「！！？」
「恋人同士なんだものね」
ついさっきバレたばかりの事実を言われて、ハレルヤはドーンと凹む。
あわあわとニールはグラハムの腕の中からハレルヤの頭をなでなでしてあげた。
そんなニールにグラハム以外のメンバーは涙が出そうになってくる。
(ニールの貞操がっ！！)
その時、控え目にドアがノックされた。
「は、はーい！」
この空気をなんとかしたい、と祈りを込めてアレルヤはドアを開ける。
するとそこにはセツナが立っていた。
「……ニール、温泉、入らないか？」
「！！」
セツナの足元にはコロコロとハロがいる。
コクコクコクコク、とニールは満面の笑みで頷いた。
「セツナくんとハロじゃ仕方ないね」
グラハムは残念そうに言うとニールをセツナに引き渡す。
はあーっ！と深い溜息が部屋に漏れた。
「そっちの店長に言われて……」
ボソリとセツナがアレルヤに言う。
アレルヤはガッシリとセツナの肩を掴んだ。
「有り難う！」
「はあ……別に」
「宜しくねっ！」
「あ、ああ」
こうして、ニールはセツナと温泉へと行くことになった。
***
「おー！ニール、ほこほこだなあ！」
ほこほこ湯気をたてて部屋に戻ってきたニールをライルが抱き上げる。
「浴衣着せてもらったんだね」
コクコクコクコク
お子様用の可愛い浴衣に思わず大人達の頬が緩んだ。
「ハロも来たのか」
ニールと一緒に部屋に来たハロは、ハレルヤの足元でぶんぶんと尻尾を振る。
ハレルヤは口の端を上げて、ハロを抱き締めた。
ハロが嬉しそうにハレルヤの頬を舐めるのをライルが苦笑して眺める。
「今夜はハロと一緒に寝るの？」
コクコク
「あんあんっ」
「良かったね！」
コクコクコクコク
ニールは頬をピンクに染めて頷いた。
良くキッズルームで一緒に昼寝をしているが、それとらまた雰囲気が違うのだろう。
わくわくと自分のベッドの上にハロ専用クッションを用意する。
それを、わふわふとハロがフミフミした。
御機嫌なニールを見ていると本当に癒される。
(来て良かったなあ……)
ニールが笑っていてハレルヤも笑っていてグラハムも笑っていて、ライルとアリーも喧嘩していなくて。
合同社員旅行を計画してくれた店長とマスターにアレルヤは感謝した。
***
「ニール！良く眠れたか？」
コクコクコクコク
ニールは頷くとにっこりと笑った。
「そうか」
店長はしゃがみこんでその頭を撫でる。
くすぐったそうにニールはふにゃふにゃと店長に抱き着いた。
「羨ましいですね」
「はあ」
微笑んで言うマスターに店長は曖昧に応えた。
「ニール、これ」
「？？？」
マスターから差し出された袋を受け取ってニールは首を傾げる。
「このホテルオリジナルプリンだよ」
「！！」
キラキラとニールの瞳が輝いた。
「バスの中で食べようね」
コクコクコクコク
「ニール！帰りは俺の隣に座れよ！」
「いや、姫は私の隣と決っているんだよ」
「いや！俺のっ！」
「いやいやっ！俺のっ！」
「？？？」
わいわいと楽しそうに始まった言い争いにニールは不思議そうに目を丸くする。
両レストランの店員入り交じって笑いながらニールを取り合った。
つられてニールもニコニコ笑っていて。
その足元にはハロ、肩にはエクシアがいる。
「ニール！」
「！！」
「はーい！こっち見てっ！」
アレルヤはレンズから見えたニールの笑顔に頬を緩ませながら、シャッターを切った。
(また来年も、来ようね)
-----------
JG様＞＞＞
いつも素敵なメールを有り難うございます！
最近メールを送ろう！というタイミングでJG様からも届くので本当にビックリですっ(笑)
ついに写メまで同じにっ！
この度は素晴らしいリクエストを有り難うございました！
ズルズルと長くなってしまいすいませんでした(´Д｀;)
駆け足旅行でしたが、とても楽しく書かせていただきました！
スロー気味なサイトですが、これからも宜しくお願い致します<(__*)>
［*前へ］［次へ#］
[戻る]
携帯モード]
[
URL送信]