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■リクエスト企画2010■\(^o^)/
みなみ様【AST】
【ニールがアレルヤにぐずりながら甘える】






それはアレルヤがお茶の用意をしていたときのことだった。


「……っ」
さっきまで玄関で御機嫌でハレルヤとライルを出迎えていたニールが、パタパタと走ってきてアレルヤに飛び付いた。
ヒシッとアレルヤの足にくっつくニールにアレルヤは目を丸くする。
「どうしたの?ニール」
抱き上げるとニールはぐすぐすと泣いてアレルヤにしがみついた。
(あーこれは……ライルにからかわれたかなあ)
すると案の定ライルが追い掛けてきた。
その手に見慣れた絵本が数冊持たれているのを見て、アレルヤは苦笑いする。


あまり『嫌い』という概念のないニールだが、最近苦手なものがあった。
それは『狼』だったりする。
狼が悪者の絵本を、ライルがことごとく脚色して話したからだ。


だから、その手の絵本は隠しておいたはずなのだが。
「ライル……ニールに狼の話はしないでって言ってるのに」
御丁寧に以前ハレルヤが作った狼のパペットまで持っている。
その狼はリアルじゃなくて可愛いのだけど、今のニールには怖いのかもしれない。
「別に日常狼に遭遇するわけじゃないし、良いじゃねぇか」
「………っ」
がおーっ、とパペットでニールの頬をつつく。
好きな子ほど苛めるタイプのライルはやけに嬉しそうだ。
ここまでしてニールに嫌われないのが毎回不思議なのだが、ニールも相変わらず毎回ライルが大好きなままだ。
むしろ嫌われたほうがライルには良い薬かもしれない、とアレルヤは不憫なニールを抱き締めてあげる。
「いい加減降りろよ!がおーっ!」
イヤイヤとニールは首を振った。
グスリ、とアレルヤの肩に顔を押し付ける。
「男なら泣くなよ」
アレルヤは呆れた顔でライルを見た。
「ライルが苛めたんでしょ?」
するとリビングからハレルヤの声が聞こえた。
「ガキ相手に本気に苛めてんじゃねぇぞ」
ハレルヤにまで言われて流石にライルの表情から笑みが消える。
「だから謝ってんじゃねぇか!」


「「………どこが」」


くすんくすん、と泣くニールの背中をぽんぽんと叩いてあやしても今日はいつまでも愚図っていた。
「よしよし」
「…………」
ライルも狼のパペットと絵本をしまって、ニールを覗き込む。
「もしかして、眠いんじゃないのか?」
甘えるようにベッタリとアレルヤにくっついていつまでも愚図るニールは確かに珍しい。
特にライルには苛められ慣れているため、いつもなら復活が早いのだ。
それも不憫なのだが。
「ニール?眠い?」
ぶんぶん
首を横に振りながらも目がとろとろとしている。
眠いところへ苦手な狼で苛められて疲れたのだろう。
「ちょっとお昼寝しようね」
アレルヤがそう言ったとき、既にニールは殆ど夢の中にいた。
「起きたらプリンあげるからね」
狼の夢を見たら可哀相だ。
アレルヤは魔法を唱えるようにニールの耳元に『プリン』と囁いた。
ふにゃりとニールの寝顔が緩む。
それを見てアレルヤだけでなく、ハレルヤとライルの表情も緩んだ。





「今度ハロと狼は仲間だって教えてやろう!」
「………ライル」




結局、後日ライルのその教えによってニールの狼恐怖症はアッサリと治ったのだった。
















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みなみ様>>>
素敵なリクエスト有り難うございました〜(*´∀`*)
愚図るニールとお母さんなアレルヤを書けて楽しかったです!







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