罰ゲーム
罰ゲーム
まさか、まさか…こんな話になるなんて…
『ええッ…そ、そんな…っ』
とある山奥の旅館で、ナマエは驚きの余り、絶叫した。現在、月詠学院SGコース、3年の舞坂 操、結崎 亮、教官の御神 晃に天照學園の交歓留学生であるナマエを加えた面々で山奥へ討魔の遠征に来ている。その宿泊先にて結崎と御神が入浴中にババ抜きをしていた時に事件は起こった。
『良いじゃない、減るモンじゃないでしょ』
『で、でもッ…』
妖艶な笑みに、期待の色を輝かせ、舞坂はナマエの肩を叩いた。それは、ババ抜きで負けたにしては少し酷過ぎる罰ゲームである。
夜、一緒に寝る結崎に気付かれないように自慰をする。
そちら方面の知識が全くないナマエは顔を真っ赤にして否定する。抑、自慰のやり方などナマエが知る訳もなく、先程舞坂に説明を受けて、意味を知った程度であった。
『ほ、他の罰ゲームにして下さい…ッ』
『だーめッ、ナマエもたまには恥ずかしさを捨てなさい。』
人一倍恥ずかしがり屋なナマエにとって、過酷な試練とも言える罰ゲームの内容は変更不可。舞坂は相変わらず笑うだけで、ナマエの願いを聞き入れようとはしない。
『風呂上がったぞーッ』
『りょ、亮ちゃん…ッ』
そして、タイミング悪く結崎と御神が風呂から上がった事で、ナマエは更に罰ゲームの変更不可となってしまった。
『ほんなら、明日も早いしそろそろ寝よか』
『そうですね。それじゃあナマエ、しっかりやるのよ』
ナマエと結崎の関係を知っている御神はナマエと結崎を置いて部屋を出て行く。無論、御神が悔しさ満点の表情を浮かべていた事は言う迄もない。舞坂は舞坂で##NAME1##の頭を軽く撫で、御神の後へと続いた。
『み、操さん…ッ』
ナマエの必死の呼び掛けも虚しく、ナマエと結崎を残して寝室の扉は無情にも閉じてしまった。舞坂を呼び止めるままの姿勢で固まってしまったナマエを、結崎は後ろで眺めていたが、余りにも長い間固まっているので思わずナマエに近寄る。
『ナマエ、どした』
『えッ…う、ううん…っ』
言える訳などない、まさか自分が今から結崎の前で自慰行為をする事など…。ナマエは必死に首を横に振ると、寝る支度を始めた。
『亮ちゃん、今日は早く寝てね…ッ』
『へ、何で…』
何故ナマエがそんな事を言うのか理解出来ない結崎は首を傾けたが、良いから…ッと必死に言うナマエに押され、風呂上がりもそこそこにベッドの中へと入る事になってしまう。結崎がベッドに潜り込むと、直ぐナマエが続いて結崎の腕に頭を乗せる。
『亮ちゃん…寝た』
『いや…起きてるけど…』
結崎と共にベッドに入って約1時間。10分置きに寝たかを確認して来るナマエに結崎は全く寝れないでいる。早く結崎が寝てくれないと罰ゲームどころか寝る事も出来ないナマエは自分の確認作業によって結崎が眠れない事すら気付かないでいた。
『なァ、ナマエ…俺が寝たら何かあんのか』
『な、無いよ…ほ、本当だもん…ッ』
そう言う時程何かある。然しながら、一体何があるのか逆に気になって目が冴えてしまった結崎は愛しいナマエの切実な願いを聞いてやろうと無理矢理瞼を閉じ、寝る事に専念する。そんな結崎の様子を、ナマエは薄暗闇の中でじっと見詰めていた。
⇒
無料HPエムペ!