君二届ケ変ワラヌ想イ
お前ってさ、本当相変わらずだよな
((君ニ届ケ、変ワラヌ想イ))
『亮ちゃん…あのね、あのね…ッ』
『ん、どうした』
昨日まで笑顔だったナマエから笑顔は消えていて、代わりに今すぐにでも泣きそうな…そんな顔をしていた。鬼王との戦いも無事終わり、ナマエは俺達を救う為に験力全てを使い果たした…そしてその代償に、験力を失った
だけどな、俺はそれでも良いと思ったんだ…。幼馴染み…大事な人が戦いに身を置くなんてさ…
『どうしたんだよ、何か嫌な事でもあったのか』
『違う…違うの…っあのね…』
今にも消えそうなか細い声で…確かにナマエはこう言った。だけど俺は何でナマエがそんな事言うのか、理解出来なかった…
『…し、暫く…亮ちゃんに会えないの…』
何で、どうして、いつから…ありとあらゆる疑問符をナマエにぶつけた。だけどナマエはキツく唇を結んで、ただ下を向いていた。
『何で…なんだよォ…』
その答えを聞く事なく、誰も教えてくれる奴もいなくて…夜に携帯に電話したけど…延々と電子音だけが鳴り続いていた
『あれッ、亮ちゃん今日も一緒じゃないのーッ』
『珍しいわね、ナマエが5日も休むなんて…』
光と理緒は口々にそう言った…。あれからナマエは学校に来なくなった。それに今日も昨日も…もう5日前から朝におはようメールもなくなったし、寮の広場で待ってくれる事もなかった
『そっかァ…実はね、ナマエちゃんが学校来なくなった前日に、ちょっと不思議な事があったんだァ…だから、ちょっと心配で…』
『不思議な事…』
理緒と光は二人で顔を見合わせた後、光が俺にナマエが学校に来なくなった前日の事を話してくれた。ナマエが前日、俺が一緒にいる訳でもないのに寮で良く笑っていた事、すぐに眠っちまうナマエが夜中まで皆と起きていた事
それから最後…寝る前に光と理緒、操さん、夕、由紀ちゃんに"いつも有難う"…そう、言った事
『いつも…有難う…』
『うん…なんか、淋しそうだったよね』
"いつも有難う"…その言葉を聞いて、あの時の事を思い出した…
そう、四年前の…あの日の事を…
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