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ずっとずっと、一緒。






(with)









『ナマエちゃん、おはよー』


『あ、ナマエ教官お早うございます』


教官と呼ばれるようになってから既に数ヶ月…ほんの少し前までは自分も誰かを教官と呼ぶ立場だったなと過去を振り返る


変わらない風景に自分はあれから何も変わっていないのではないかと、自分の中の時計は今でも動かないままではないかと思う日もある


『でも、変わっているんだよね…』


あの戦いの後、SGコースのメンバーはお互いがお互いの道を歩んだ。ナマエは天照郷へと戻り一度は鎮守になる道を選んだものの、再び月詠の教官としての道を選んだ


その道が正しいとは一概には言えない。天照郷で生まれ育った身としては鎮守となり各地を行脚する事が正しいのではないかとも未だに思う。しかし、交歓留学生として一年を月詠で過ごし治療としてまた一年を月詠で過ごしたナマエにとって次期月詠の鎮守候補を支える事も役割の一つではないのかと思い、教官の道を目指した


『まだまだ慣れない事もあるけど…大丈夫』


月詠には未熟だった自分達を支え続けてくれた姫宮や京羅樹、御神もいる。大学院に進んだ館脇も専任教官として現SGコースの生徒を自分と共に支える立場にいてくれる


そして…


『おっはよ、ナマエ』


SGコース以前よりナマエを支え、交歓留学生としてやって来たナマエを何度も助け、護ってくれた彼…


『亮ちゃん…っ』


幼馴染みであり、恋人である結崎 亮もナマエと同じく教官として支えられる立場から支える立場へと変わり、月詠へと戻っていた。姫宮は第二の御神だとぼやいていたが、流石は第二の御神、生徒から厚い信頼を受ける頼れる教官となっていた


『亮ちゃんっ、お早う…ッ』


『今日も良い天気だよな、んでめちゃくちゃ眠いっ』


校門で盛大に抱き付いたナマエを昔と変わらず、寧ろ昔よりも力強い腕で抱き留める。教官となる事で元より気の弱い自分には不安要素が沢山あった。しかし、結崎が背中を押してくれた事でナマエは教官になり、今でも結崎がいれば大丈夫だと思える


変わらない風景に変わらない温もり…


『ナマエちゃんに結崎教官、今日も朝からラブラブですねーっ』


『ナマエが可愛いから良いんだよっ』


周りにからかわれても変わらないこの態度。校門、最早公衆の面前である場所でもこの光景は日常になりつつある。そして生徒にからかわれ顔を真っ赤に染めるナマエの姿も…


『亮ちゃん、ナマエ…亮ちゃんと一緒に月詠で働けて凄く幸せだよ』


『…ナマエ……』


結崎の腕の中でそっと呟いたナマエの言葉…


『だーっ、だからお前は可愛いんだよーっ』


『わ、ぷ…っ』


その言葉にナマエが息も出来ないぐらいに強く抱き締められた事は言う迄もない…














(結崎教官…ってナマエも呼びたいな…)


…なァ、もしかして誘ってんのか、いや、誘ってるよな…っ
















090915めぐ
121104編集




あきゅろす。
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