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バレンタイン企画夢(京羅樹)







特別な人ってのは
いつまでも特別



愛×チョコ×彼女




『あらら、何この惨状』


朝起きたら甘い匂いがしたもんだから、少しの期待を胸に台所へ向かったんだが、予想は遥か向こう。ボールやらシンクやらコンロやら…至る所はチョコ塗れ


『さて、事の犯人は……と、』


『……』


事の犯人、基、俺の恋人は格闘の末、チョコを顔に付けたまま爆睡のご様子。寝顔にチョコってのがまた…


『ナマエー…』


『……』


起きる気配は、ないみたいだな。大体は予想出来る。今日が2月14日だって事、ナマエが心底料理下手だって事、散らばったチョコや小麦粉、ついでに俺の恋人って事…


『いやー…愛されてんねェ、俺』


机に突っ伏して眠る彼女、ナマエに顔を近付けて…そのまま、頬に唇を落とすと甘い香りが鼻を掠める。


『ん……あ……タカ…』


『よ、お姫様は漸くお目覚めだな』


王子様の口付けにお姫様もお目覚めのご様子で、俺がここにいる事を多少不思議がっていたが、3秒後に漸く動きだした


『ああッ…え、もう朝っ…や、やだッ…』


つまりはこうだ、今日はバレンタイン。料理下手なナマエは恋人の俺にチョコレートケーキか何かを作ろうとした。しかし、だ。案の定何回も失敗を繰り返し、挙げ句の果て疲れて眠ってしまったら朝が来た…まァ、そんな所だろ…


『ど、どうしよう…ッ』


『取り敢えずこの惨状を何とかしないとな』


って言う俺の言葉なんてまるで聞こえてないみたいに、ナマエは心底動揺していて、まァ、そんな所も全部含めて可愛いと思えるのは惚れた弱味ってやつで…


『タカ…どうしようアタシ…折角タカにケーキ作ろうと思ってたのに…ッ』


今にも泣き出しそうな顔して、俺を見つめて来るから…堪らずナマエを抱き締めて、再び軽いキスをナマエへと落としてやる


『バーカ、チョコより甘いの、ここにあるだろって』


『え…』


大抵そこで自分って気付くんだがな、って心の中で笑って…俺は傍にあったラッピング用のリボンをそっとナマエの頭に結ってやる。そしてお得意の甘い甘い言葉を…


『極上のsweetsはもう俺の手にあるだろ』










形だけの愛じゃない
特別な愛を俺の手に…




080207めぐ
121104編集




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