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Romantic Kiss








帰り道はちょっとだけ、ロマンチック




Romantic Kiss










『あれ…ナマエじゃん。おーい、ナマエーッ』


『っ…りょ、亮ちゃんッ』


いつもの帰り道、今日は用事があるから先に帰ると言っていた筈のナマエを見付け、結崎は自分に気付いていないであろうナマエに少し離れた所から大声でナマエを呼んだ


『どうしたんだよナマエ、そんな所に隠れてさ』


『き…来ちゃ駄目ェっ』


しかし、いつもとは少しどころか大分ナマエの様子が違う。なぜか校門の陰に隠れ、何かに怯えた様子である。


『来ちゃ駄目って…おい、ナマエ…』


まさか天魔が現れたのか…結崎の全身に緊張が走る。ゆっくりとナマエとの距離を詰める間、結崎は右手に力を込める。放課後だからか、心無しか人影が少ない…既に何名かが襲われた後なのか…


結崎の背中に冷たい汗が流れる…。数m先のナマエまでの距離がやけに長く感じられる…。せめて天魔の姿を捉える事が出来れば…そう思った結崎が身体を少し揺らした途端…


『わんっ』


『きゃあああ…ッ』


ほぼ同時にナマエと何かの声が重なった途端、結崎の腹部に強い衝撃と共にナマエがぶつかった。状況が全く理解出来なかったが、取り敢えずはナマエを受け止めなければ、とナマエに手を伸ばす


『うォっと………ラ、ラッキー……あれ…』


何とかナマエを受け止め、さりげなくナマエを抱き締められた事に喜びつつ…。ふ、と見れば自分の目の前を見れば…ちょこんと座る、犬。


『か、噛まれちゃうっ…食べられちゃうよォ…っ』


結崎にしっかりと抱き締められている事に気付いていないのか、ナマエは未だに逃げるべく手足をばたばたと動かし続ける。それ程大きくはない犬…その犬を恐れるナマエ…


『ぷ。馬鹿だなァナマエ…』


『ば…馬鹿…っ』


そんなナマエの愛らしさに結崎は思わず吹き出してしまう。一方のナマエは結崎に笑われた事、更には馬鹿とまで言われてしまい、固まってしまう


『まァ見てろって。よォし…良い子だなァ…』


『りょ、亮ちゃん…噛まれちゃうよ…』


ナマエを宥めつつ、自分の横に移動させると、結崎は足元で尻尾を振る子犬に腰を屈めて手を伸ばす。すると嬉しそうに子犬は結崎に擦り寄り、頭を撫でてくれと言わんばかりに尻尾を振る。


『大丈夫だって。めちゃくちゃ良い子じゃん、こいつ。ナマエも撫でてみろよ』


『で、でも…こ…怖いよ…』


その様子を見ていたナマエは結崎が危ない、と結崎の袖を引っ張る。しかし、結崎は子犬から手を離すどころかナマエを誘う


『んじゃさ…』


『ひゃ…っ』


しかし、恐怖心の消えないナマエは子犬に手を伸ばす事を躊躇う。すると何を思ったか、結崎は子犬から手を離すとナマエを引き寄せ、小さいナマエの身体をすっぽりと包み込んだ


『ほら、手ェ貸してみろって』


『あ……あの…』


そのままナマエの手を取り、子犬へと近付ける。後ろから抱き締められるような体勢、掴まれた手から直に結崎の温もりを感じ、ナマエの顔は見る見る内に真っ赤になって行く…


『ん、どした』


『……だ、大好き…』


結崎に掴まれていない方の手を結崎の胸に添え、赤くなってしまった顔を見られないように結崎の胸にぎゅうっと顔を埋め、ナマエがぽつりと呟いた。


『お……おう。…へへ、俺も、凄ェ好き』


普段、滅多に言われない事を言われ、嬉しさ半分、恥ずかしさ半分といった状態で結崎も顔を赤くした


『子犬も可愛いけど…ナマエの方がずっと可愛いしなっ』













(そう言って彼は)


春風が髪を揺らすように
そっと、彼女に唇を寄せた…















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090423めぐ
121104編集
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Present for りこさん
相互記念に…!
これからもマサク
繁栄に励みましょう!←




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