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表現下手





あたしの彼氏の昂生君は…とってもとっても無表情。


何であたしと付き合ってくれてるのも分からないぐらいに





表現下手




『あ、昂生君』


あたしと昂生君はクラスが違うから、校門の前で待ち合わせ。いっつもあたしが先に来て、後から昂生君がやって来る。あたしには待つ時間さえ楽しくて…

歩いてる時にさりげなく握ってくれる手が大好きで…握られる度に愛されてるなって実感出来る


『昂生君…』


『何だ』


呼んだらちゃんと振り向いてくれて、ちょっぴり無愛想だけど、ちゃんとあたしの話を聞いてくれる…そんな昂生君があたしは誰よりも大好き…


『呼んでみただけっ』


って言うと、少しだけ笑って軽く額を小突かれる…こんな些細な事もあたしは大好き。昂生君と一緒にいる時間が楽しくて、幸せで…ずっと昂生君の隣にいたい…


でも…昂生君は自分の事あんまり言わないから…何を思ってるかとか、あたしをどう思ってるかとか…全然分からない。昂生君とバイバイして、ちょっとだけメールもして

それからまた、昂生君の事何も分からないまま次の日になる…


あたしはいつもの様に昂生君を校門前で待っていた。早く…早く来ないかなって…


『あれ、ナマエちゃんじゃんッ』

後ろから声を掛けられた。ちょっと怖そうな…今時の人って感じの制服の着崩し方に、派手目な頭、ピアス…見るからに軽そうな感じの人達だった


『剣持なら先帰ったぜ』


…あたし、こんな人全然知らない…。でも、昂生君の事知ってるみたいだし…昂生君はこういう人と仲良くするのかもって、昂生君の意外な一面を知ってしまったかも…


『あ、そうなんですか…』


あたしはそう言って携帯を開く。昂生君からのメールも電話もない。…帰るなら一言、言ってくれたら良いのに…。付き合い始めて、こんな事一回もなかったから、あたしはすっかり落ち込んでしまった


『あ、そう言えば剣持が話したい事あるからって公園までナマエちゃん連れて来てくれって俺等頼まれてんだけど』


『え、昂生君が…』


あたしに直接メールも電話もなく、昂生君が伝えたい事って何だろう…あたしは5人の昂生君の友達に連れて行かれるままに公園に向かった


暫く歩いて麻布公園に着いたけど、どこにも昂生君はいない…その間、昂生君の友達がやけに話し掛けて来て、断ったけどメアドまで聞かれて…少し、嫌な気分になった。


『あの…昂生く……ッ』


後ろを向いた途端、お腹に物凄い痛みと共に目の前が真っ暗になるのを感じた…微かに見えたのは…昂生君の友達が…全員、不気味に笑っていた…


『ん…っ』


目を開けると知らない天井…まだ、お腹は痛くて…恐る恐る辺りを見渡すと昂生君の友達があたしを見下している…5人だった人達は、見えるだけでも10人に増えていて…


手が、足が…怖くて動かない…


昂生君…ッ


『俺、前からナマエちゃんの事可愛いって思ってたんだよなァ』


『嫌ッ…やめてェっ…やだァ…っ』


一番身体の大きな人があたしの上に圧し掛かる。あたしの声なんか無視して、夏服のブラウスを脱がしていく…。昂生君…あたしに用事って…こんな事だったの…こんな、こんな最低な事、させたかったの…


『俺等、剣持の友達なんかじゃねェんだぜ。寧ろ剣持なんか欝陶しいぐらいだしよォ…』


『…ッそんな…やっ…助けてっ…こうせ…ッんむっ…』


出し掛けた言葉を別の人の手で押さえ付けられる。


もう、駄目…















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