約束
ねェ、昂生…
何で、何で来てくれないの…
約束
3日前、昂生が言った。
『##NAME2##日、空けておけ』
##NAME2##日は、あたしの誕生日。そして、昂生に告白した日、昂生が告白を受けてくれた日…そう、##NAME2##日は沢山の事があった記念日で、今年もまた…新しい記念日になるんだと、あたしは緩む顔を直せなかった
『遅刻するなよ』
『うん、絶対昂生より早く着くからっ』
もうその日は遅刻しないように1日中起きていようか…そう思ってしまう程、あたしは楽しみで…光に服を選んで貰ったのが前日、亮君に嫌味を言われたのが放課後、操さんに化粧して貰ったのが…約束の1時間前…
『うん、ばっちりよ、ナマエ。やっぱりナマエにはピンクが似合うわね』
『わァ…別人みたいッ。操さん有難うっ』
鏡に映ったあたしは…自分でもびっくりするぐらい綺麗な顔で、これなら昂生もきっと喜んでくれるだろうなんて、無表情ながらも照れる昂生の顔を想像した
『昂生にメールしとこう。今から出ますって』
いつもは寮で待ち合わせだけど、今日は記念日だからって面倒臭がる昂生に頼んで駅前にして貰った。だって、昂生と駅前で待ち合わせなんて初めてで…理想のデートって感じがするから…
『よしッ、じゃあ行って来ます』
『ええ、頑張ってね、ナマエ』
携帯を閉じて、今日はちょっと高めのヒールを履く。今日のあたしはちょっと背伸びして、昂生に見合う女の子になったつもり
『あ、やば…ちょっと遅刻かなァ…』
気付いたら待ち合わせ15分前…。ヒールで走ると足痛くなっちゃうけど…遅刻するよりマシかなって少し小走りで駅に向かった。亮君が…"あの昂生がさ、ナマエの理想のデートコースとか聞いて来たんだぜッ"って言葉を思い出して…
『昂生…あたしの事考えてくれたんだ…』
いつもあたしが無理矢理引っ張って…ちょっと、嫌かなって思ってたから…素直に嬉しい。早く昂生に会って、今日はいっぱい甘えちゃおう…
走って、走って…昂生がいる所まで。それにしても今日は、人が多いなァ…何台か車が通って、その先には駅がある。救急車が何台か通った辺り、事故でもあったのだろう…だけど、周りなんて正直目に入らないぐらい、あたしの頭は昂生でいっぱいだった
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