ホワイトデー企画(京羅樹)
たまには俺だって…マジになるって
天才の敗北
『タカの事だから、てっきり高級な店かと思ったよ』
『まァ、たまには…な』
手作りケーキを失敗したナマエへの当て付けではないが、今日は特別、俺がナマエの為に料理を作る。勿論、バレンタインのお返しのプレゼントも買ってある
『良いなァ…タカはすぐ何でも出来て…』
『ははッ、俺は天才肌だからな』
ぷうッ、と膨れたような顔をするナマエを宥めつつ、完成した料理をテーブルに並べる。今日は…赤ワインの方が料理に合うか、なんて考えながら
『さァて、お姫様…食事の用意が出来ましたよ』
『や、やだタカッ…恥ずかしいっ』
ナマエの足元に屈み、ナマエの右手を取る。それはまるで…ダンスを一曲お願いするような姿…。こんな些細な事にまで顔を赤らめちゃうナマエって本当…
『可愛いな』
『ッ…』
あァ…更に固まっちゃったか…。こんだけ表情豊かな女はまずいない…だからたまには…今日だけは俺も、素直になってやろう
『俺をここまで本気にさせたの、ナマエだけだぜ』
『あ…ご、ご飯まだ…ッ』
食事より先に、デザートを…。行儀悪いけど、俺から余裕を奪ったナマエが悪いんだぜ、なんて言う余裕すらなく、甘い香りを押し倒した
気絶するぐらい、痺れるKISSを…
080305めぐ
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