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仲直りのキス











桜が薫る


この桜並木の下で…







仲直りのキス







『劉〜?こんな所で何してるの?』

桜の薫る桜並木の下。
全ての戦いも無事終わり、龍脈の乱れにより正月と言うのに桜は満開


そんな桜並木の下に小柄な少年は腰掛けて読書に耽っていた。それをたまたまなまえが見付け、側に店を出していた茶屋で団子を買い、側に駆け寄った


『…』


『劉…?あ…読書中?何読んでるの?』


『…』


決して日本語が通じない訳でもなく、ただなまえの声が集中しきっている劉の耳に届いていないだけ


『わ…難しい文字ばっかり…こんなの良く読めるね?』


『…』


隣に腰掛けて、劉の読んでいる物に驚きと尊敬の声を上げるも、やはり当の本人は相変わらず読書に夢中


『ねぇ…聞いてる?…劉ってば…』


『…』


劉の横顔を覗き込むが、劉の視線は難しい文字ばかり並んだ本へ落とされたまま



『ねぇ…!劉ってば!!』


『っうわ!?』


肩を強く揺らすと劉は驚きの余り、読んでいた本を落としてしまった


『何だ…お前か』


『何だじゃないよ!もう…何回も呼んだのに…』


口を尖らせて怒るなまえを余所に本を拾い上げ、再び本を読もうとした


『もう!!劉っ!?』


『…何だよ?』


読書の時間を邪魔され、少し不機嫌な様子で返事する劉に更になまえは口を尖らせた


『ちょっと話がしたかっただけなのに!もう良いよ!劉の馬鹿ッ!』


『?何を怒って…お、おい!?なまえ!?』



下駄を鳴らして走り去って行くなまえを劉は唖然として追い掛ける事が出来なかった。


その下に落ちていたのは団子の入った包み。



『…ん?何だこれ?アイツの忘れ物か?』



拾い上げた温もりと甘い匂い、もしかしてなまえは自分とこれを食べようとしていたのだろうか…なんて都合の良い事を考えながらもなまえの氣を辿った





―――――――





『何よ…劉の馬鹿…ッ』


ただ桜の下で並んで団子を食べたかった…ただそれだけなのに…


『これ、美味いな』


『!?』



振り返ると団子を頬張る小柄な少年。


『お前もいるか?』


『ってそれアタシのじゃないの!!』


難い事言うな、と頭を撫でて横に座った劉を横目で睨みながらも劉から団子を受け取る


『…』


『…何を怒ってるんだ?団子まずいか?』


いつまでも拗ねているなまえを劉が下から覗き込むと、その距離は近くて、なまえは思わず劉から顔を離した















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