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夏祭り(劉)






ねェ。相手してよ、馬鹿




ひよこ





『…来ないね』


『いや、来るでっ。今からやッ』


この会話が何回繰り返されただろうか…辺りもすっかり薄暗くなって来た辺り、もう二十回は繰り返されているだろう、と##NAME1##は深い溜め息を吐いた


『なんやなんやァっ、そのおっさんみたいな溜め息はッ』


『だってさ弦月…来る訳ないでしょ、ひよこ釣りなんて…』


小さめなビニールプールに放たれた数匹のひよこ。朝から出店しているものの、減った気配は全くなく、遊び疲れたのか、ひよこの元気もない


『東京のお人はアホやなァ…こんな可愛ェのに…なァ、ぴよちゃん』


『…』


情けない…##NAME1##は内心毒吐いた。こんな事を飽きずにやっている劉にではなく、劉が愛でるひよこに嫉妬を妬いている自分にだ


『…』


『##NAME1##はん、##NAME1##はんっ』


不機嫌になりつつある##NAME1##に気を使ってか、そっぽを向く##NAME1##の身体に触れるぐらいまで身体を近付け、劉が擦り寄って来る。この季節、いくら夕暮れ時と言ってもここまで近寄られると流石に暑い


『もう、何よ…』


最愛の彼に擦り寄って来られ、悪い気はしない…が、暑い。##NAME1##は多少顔を歪めつつ、擦り寄って来る劉へと視線を向けた


『このぴよちゃん、##NAME1##はんに似て可愛ェなっ』


『っ…』


この、悪気無い辺りが憎めない…細い目を更に細くさせて笑う劉の顔も、恥ずかし気もなくそういう言葉を言って退ける劉も、そして…憎めないひよこの愛くるしい姿も


『なッ、このふわふわ感とか、小さい所とか…』


『…小さいは余計だもん』


褒められているのかは定かではないが、漸く##NAME1##から笑顔が零れ、劉は照れたように笑う。


『ね、お祭り終わったら花火しようよ』


勿論、ひよこは抜きで














080804めぐ
121103編集



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