背伸び
ねェ…良く言われるの
なまえは京一君に釣り合わないって…
京一君がなまえみたいな子供と付き合うのは可哀相だって…
京一君…京一君もやっぱりそう思うのかなァ…
(背伸び)
『でねッ､皆がなまえに京一君は勿体ないって言うのッ』
『そんなの､気にする事ねェだろ』
学校が終わってすぐになまえは京一の家に行った｡京一に部活がない日はなまえは決まって学校から帰ってすぐ京一の家へ行く｡勿論､部活に顔を出さない京一は毎日のように家にいるのだが…
『だってッ』
自分じゃ京一に釣り合わないと言われるのが悔しくて､歳の差を埋められない事は分かっている…それを他人に言われるのがなまえにとっては苦痛だった
『だってなまえは京一君に釣り合ってる彼女が良いんだもんっ』
『そんな背伸びしなくても､もっと気楽にしたら良いじゃねェか』
京一はよしよしとなまえの頭を撫でる｡いつもならそこで機嫌が治るのだが､今日は余程苛ついているのか､なまえはムッとした顔をし､京一の手を退けた
『…京一君だってなまえを子供扱いしてるじゃん』
『こだわり過ぎだってなまえは…歳の差なんて仕方ねェんだし､気にする事ねェよ』
高校３年の京一と１年のなまえは実際２歳程離れている｡ただでさえ元が童顔ななまえにとってはその差が問題で､気にするなと言われても気にしてしまうのが現状だった
『京一君だってなまえが年下なの嫌でしょ…』
『俺は全く気にしねェよ…なまえは気にすんのか』
雑誌を捲っていた京一の手が止まり､京一は複雑な顔でなまえを見つめた｡普段そんな顔をしない京一､だからこそなまえは京一から目を反らし､小さく頷いた
『なまえは…嫌…』
『じゃあ何で付き合ったんだよ､嫌なんだったら付き合わなかったら良いだろ』
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