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愛戦士最終戦1





夜風に吹かれて君を待つ
そう、僕等は今
青春の風に吹かれているんだ…



…誰の名言だっつーのッ



(愛戦士・最終戦)



【京一君、今夜10時に〇〇公園に来て欲しいの】


【今日夜10時にアタシん家の前集合】


決戦当日、アタシとちゃんは放課後2人で同時にメールを送った。相手は勿論京一。アタシ達2人とも顔が強張ってて、手をずっと握ってた。お互い逃げないようにしっかり捕まえて、送った後は顔を合わせて苦笑いした


『緊張だよね』


『うん、緊張』


でも送られた張本人の京一はもっと緊張してるんだろうねってまた笑った


『そりゃ緊張しまくりだっての』

『きょ…京一ッ』


グッドタイミングと言うかバッドタイミングと言うか…屋上の扉の前で携帯をぱちん、と閉じて頭を掻く京一


『俺、どうしたら良いんだよ』


『京一が思う通りにしてくれたら良いよッ』


結果は見えてるかもしれないけど、アタシ…振られるなら徹底的に振られたいんですよ。そう、京一を好きになった事…後悔したくない


『アタシ達、後悔だけはしたくないから…』


繋いだ手から、ちゃんの想いが伝わる。アタシ達…同じ気持ち、だよね…少なくとも、アタシはそう信じてるから…


『…分かった』


小さく溜め息をついてから、京一はゆっくりと頷いた。その顔には多少の迷いも見えて…少しだけ、アタシも心配になった


『よし、帰ろッ。あ、アタシは一人で帰るから…お2人さんでどうぞッ』


何故かアタシはスキップで、ほら…サザエさんのオープニングみたいな見事なスキップだった…何かね、振られるかもしれないのに何だかわくわくしてるんだ


『うわ…サザエさんみたい…』


なんて京一に呟かれたのだって耳から耳に通り抜けて行っちゃったよ。アタシ、絶対に後悔はしない…そう、決めたから…



21時50分…


家の前の石段に一人、やけに眩しい月を見上げた


『京一…来るかな…』



誰に話し掛ける訳でもないのに口から出たのは疑問詞。ちゃん、今更ながらアタシは不安です…ちゃんも同じ気持ち…かな


それとも、もう京一はそっちにいるのかな…













あきゅろす。
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