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愛戦士3-1








賭けに出たつもりだったんだけど…


見事的中して困惑




(愛戦士・3)






『焼きそばパン…要らないッ…アタシ焼きそばパン大っ嫌いっ』


そう言ってなまえは走って行った…。本当は好きな事、俺は知ってんだからな…ッ


『…何だよアイツ…訳分かんねェ…事もない…』


俺の事振り向かせてやるって言ったなまえ、ちょっとだけ輝いてた。俺はちゃんにそんな事言う勇気ないから…


『…どうするかな』


このまま放っておいても良いんだけど、何か駄目なような気もする。財布にある小銭はわずか、焼きそばパンが買えるか買えねェかぐらいで、コーヒー牛乳を買うんだったら札を崩すしかない…


大っ嫌いッ―――



あれは俺に言った言葉だったのか、ちゃんに言った言葉だったのか…。何か無性に腹立つよりも寂しい感じがした


『あー…意味分からんっ』


『京一君、どうしたの』


俺の前に立ったのはなまえじゃなくちゃん。相変わらず今日も可愛いんだよなァ…ちゃんは


『な、何でもねェってッ…どうしたんだよっ』


『何か京一君元気なかったからさ、アタシと遊びに行くの嫌なのかなァって…』


嫌な訳ない…ないけど…、何か微妙過ぎる。あー…俺本当にどうしちゃったんだよ…ッ


結局ちゃんには嫌な訳ないだろって言って別れた。けど何か頭ん中がもやもやして、自分でも良く分かんねェ…


『気付いたら焼きそばパンにコーヒー牛乳片手に…俺何してんだよ…』


俺が好きなのはちゃんであってなまえじゃない。これは…自分に言い聞かせてんのか…


『…寝てるし…』


なまえの行きそうな所で浮かんだのは屋上。一発で当てちまう俺は何だ、オカンか…


『こんな所で寝てたら風邪引くぜ』


『…』


一回寝たら起きねェんだよな、こいつ…。鈍いのか鋭いのか分からん奴だぜマジで…


『お前の為にこれ買って来たったんだけどなー…要らねェんだったら俺が食っちまうぜ』


『…』


分かってんだよ、起きねェ事ぐらい…。けど、何か無視されてるみたいで悲しいだろうが…


『ッくしゅ…』


『…』


上着ぐらい掛けといてやるか…


『なまえ、俺がいねェと全然駄目じゃねェか…』


って…


『何様だよ…』


俺がいねェと駄目とか、何勝手に思ってんだよ…。今日はマジで頭おかしいかも…








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