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愛戦士2-2







『ま、焼きそばパンぐらいでチャラにしてやるよ』


『…コーヒー牛乳もね』


アタシがさらりと言ってのけると京一は急いで財布の小銭を確かめた。ってか、何でアンタにチャラにしてやるとか言われなきゃなんないのよ…


『焼きそばパンで勘弁してくれッ』


『どうしよっかなァ…』


ふふんって笑いながら京一の財布をちらりと見ると、長財布からお札が何枚か覗いていた


『お金あるじゃんッ』


『こ…これは駄目なんだよっ』


アタシが京一の財布を奪おうとすると、京一はひょいって財布を高く持ち上げてアタシから財布を死守した


『何で』


『だって今日ちゃんと遊びに行くからよォ…』


…は…何それ…。アタシの身体中の血液が一気に頭に昇って行くのが分かる。駄目だ、思考停止…


『聞いてないッ』


『言ってねェからな…』


何よ…何よッ顔赤くしてさ…。アンタにはそんな顔似合わないし、何純愛ぶってんのよ馬鹿京一っ


『顔赤くして、馬鹿じゃないの…』


『うるせーよ、なまえには関係ねェだろ…』


アタシが馬鹿にした笑い方をしたら京一がむっとして椅子に座った。デートって何よ…アタシの知らない所でそんな話進めてさ…


『…ッ』


アタシはアンタにとって何な訳…ずっとずっと一緒にいて、ちゃんの相談だって嫌だけどちゃんと聞いたりしてたのに、アタシがアンタの事を好きって分かった途端にそれですか…


もう、意味分かんない…っ


『焼きそばパン要らない…アタシ…焼きそばパン大っ嫌いッ』


『は、ちょ…なまえっ』


これ以上京一の側にいると頭おかしくなりそうだから…アタシは一目散に教室を飛び出した。



『…寒』


無我夢中で逃げ出して来たから外の寒さに気付かなかった…。セーラー服1枚なアタシ。せめてセーターでも羽織って来たら良かったなんて今更


『…』


どう考えたってアタシが悪いのは分かってるんだ…京一が誰を好きになろうが、京一が誰とデートに行こうがアタシには止める権利なんて全くない


『本当に可愛くないかも…』


アタシって可愛くない…ちゃんみたいに可愛くて何でも出来たら京一に振り向いて貰えるんだろうか…


『…っ…ぅ…』


泣いたって解決する問題じゃない事ぐらい分かってる…泣いたってアタシの不細工な顔が更に不細工になる事も分かってる…


それでも泣いちゃうのは京一をこんなに想ってるから


『きょ…いちィ…っ』


ちゃんに取られたくないの…アタシだけを想って欲しいの…


こんな願い、届く訳ないのに…


こんな自分、大嫌い…


でも、焼きそばパンは大好きなんだ…















あきゅろす。
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