翼(ヒロインside)
も
し
も
・
・
・
翼
が
あ
っ
た
な
ら
・
・
・
貴
方
の
元
に
飛
ん
で
行
け
る
と
思
っ
て
た
の
・
・
・
(翼)
最近のアタシのブーム。"もしも〇〇があったら"何気ない質問をして、返答する。何気ない事…
『ねェ京一、もしね…』
"もしも"なんて言葉、京一は嫌いだと思うけど…アタシは夢を見てるみたいで好きだな…
『もしね、もし翼があったらどうする』
女の子好きの京一の事だから"女風呂を覗きに行く"とか言うんだろうなァ…
『女風呂を覗きに行く』
テレビを見ながら答える。やっぱりね…京一らしいよ。だからアタシは京一らしいねって笑った
『なまえは』
って今度は京一が聞いてきた…そりゃあ…一つしかないよ…だけど言うのがちょっと恥ずかしかったりする…
『…笑わない』
『大丈夫。お前にギャグセンスがないのは昔からだって』
そうじゃなくて、そう言う意味じゃなくて…京一が馬鹿にしないかって事ッ、って口には出さずにジュースを一口…どころか飲み干して、勇気を貰った
『京一に会いに行くよ。例え京一がどこにいたって…絶対会いに行く』
照れながら京一に笑い掛ける。本当は京一の顔を見るのも恥ずかしいぐらいに、照れちゃって…んもう、アタシって何でこう…すぐ赤くなっちゃうんだろう…
『あー…そりゃ楽しみだなー』
なんて京一は軽く返事したけど…顔、アタシに負けないぐらいに赤くなってるよ…。本当は…嬉しかった…のかな
『…本当だよ』
顔を背けた京一の手をギュッて握って笑い掛ける。ねェ…アタシの気持ち、ちゃんと届いてる…
『なまえには敵わねェな…』
そう言って京一はアタシの腰を引き寄せて深くキスをしてきた。京一のキスは甘くて、優しくて…大好き…
『京一…大好き…』
『うん…』
"うん…"じゃなくて…、京一も言って、って言うと京一は意地悪い笑みを浮かべて…
『なまえが死んだら言ってやるよ』
って言う…いつもの事だけど、今日はやけに切なくなった。アタシ達のどっちかが本当に死んでからじゃ遅いんだってば…
『それじゃあ意味ないよ』
死んだら…京一の声なんて…聞こえないかもしれないよって、京一に聞かれないように抱き締めた
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