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111015〜121202
(この距離)




縮めるタイミングは、


『なーんか最近格好良くなったね』


『高校デビューですよ、最近流行りの』


俺の発言に対して面白くなさそうにこいつ、幼馴染みはふうんとだけ返して雑誌のページを対して見もせずにパラパラ捲る。中学までは同じ学校だった為、良く一緒に馬鹿やってたモンだが高校は別々に進学し、お互いのバイトやら何やらで、こいつが俺の家に来るのは実に久しぶりだ。


『ねェ、学校楽しい』


『んー、普通』


嘘。全然面白くない。我が儘なこいつに振り回された中学時代までは何だかんだで割と充実していた。良く連む奴等はいるが、それはあくまで学内だけ、バイト先だけの話だ。こいつのいない日常は全くもって満たされない、詰まらない、繰り返されるだけの毎日だ。


『あっそ』


『…聞いておいて興味なさすぎだろ』


何だか微妙に気まずい。そりゃそうだ今まで毎日毎日一緒にいた二人が久しぶりに会って、お互い別の生活を送っているだけにお互いがお互いを探るように会話しているんだから。


『あたしは昔の黒髪のが好きよ』


『あれ、お前黒髪嫌いとか言ってたろ』


透かさず突っ込むと、こいつはまた面白くなさそうにそんな事言ってたっけと言う。お前が黒髪嫌いって言ってたから高校進学と共に染めた俺は何だ。こいつの気紛れに付き合わされただけか


『だって、あんた染めたら更に格好良くなって、いつか彼女連れ込んであたし家に来れなくなるじゃん』


『意味分かんね。俺に彼女が出来てもお前出入り禁止になんかしねェよ』


っと。何故かこの一言で目の前の幼馴染みは更に不機嫌になる。いや、そこは寧ろ喜ぶ所だろ。


『高校デビューしても頭はそのまんま、中身は鈍感なままね』


『お前何が言いてェの。久しぶりに会うってのにさっきから不機嫌だしよ』


久しぶりにメールが来て、会う約束をして、浮かれ気分で部屋掃除して、こいつの好きなコンビニスイーツを買う為にコンビニ3件梯子したってのに、こいつときたらこの調子。単なる不機嫌なら未だしも、一日中不機嫌ってどうなんだ。なんて思っていたら何故か頭に柔らかい痛み…


『何故クッションを投げられた、俺は』


『最近メールも電話も減ったし、更に格好良くなっちゃったし、何か大人びちゃうしさっ』


何だそれ、益々意味が分からん。というか、メールも電話も減ったとか、それって彼氏に言うような、寂しいオーラが出ちゃってるっていうか


『えー…それってつまり…』


俺の自惚れではなければ


『だから…その……』


恐る恐る伸ばした手で頭をそっと撫でれば、一回は跳ね退けたものの、ちょっとだけ潤んだ瞳で俺を睨んで、ゆっくり擦り寄って来て…


『え、いつから…』


『……あんたと手を繋いで歌いながら幼稚園に通ってた時から』


なんだ、なんだ、なあんだ…


『それって俺と同じじゃん…』


今更好きだなんて恥ずかしいから、思い切って身体を引き寄せたら、昔は同じような大きさだったのに、いつの間にか俺より小さくなってたこいつはとてつもなく良い匂いがして、


『もっと早くこうすりゃ良かったな…』


初めてのぎこちないキスをした



















(季節外れの春到来)




ピンクフィルターに瞳が衣更え
























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