100522〜100725
(テリトリス)
入るな危険､それも愛
あいつは自分基準の絶対領域がある｡
『お前…なァ…』
『んー……』
人には絶対領域に入るなとぎゃあぎゃあ煩いってのに､自分はちゃっかり俺の部屋に居座って一眠り｡それがまた､人が飲み物を取りに行ってる数分の間に占領してんだから､どうにも腹立つってか腑に落ちない｡
『お前の絶対領域､広いんだよ馬鹿…』
『…すう……』
分けられた髪の間から覗く額を叩いてみても起きる気配は無し｡このまま襲っちまうぞと言いたくなるぐらいに無邪気な寝顔も､一度起きれば憎たらしい｡こりゃあ素直に寝かしておくべきだと彼氏なりの優しさと､起きた後の恐怖がそう告げていた｡
『…俺も領域の内なんかねェ…』
人を寄せ付けない程生意気なこいつが､俺を彼氏にしているってのは､こいつの領域に俺が存在してるって思っても良いんだろうか｡たまに気紛れで甘えて来たり､普通のカップルみたいにデートしてみたり｡何だかんだで俺はこいつに愛されてるんだろうか…
『お前､俺以外とは付き合えねェな…』
眠ったお前は気付かねェだろうよ｡気付いたって何とも思わないかもしんないけど｡毎日毎日､お前の絶対領域やら気紛れに付き合わされる俺が
『悪くねェな…って､』
好きなんだから､仕方ねェじゃんね…
(テリトリー突破して)
テリトリス､抱き締めて離さない
100522〜100726
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