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Dasher

(街角Twilight-4-)
案内人は必要ですか




『ここがナマエの部屋な。んで2階には風呂とトイレと…あ、トイレは1階にもあるから、困らねェぞ』


一旦荷物を置いた後、そこが終わりではなくデミックスはナマエの腕を引っぱりながら2階を歩き回る。緊張する暇も落ち着く暇さえも与えようとはしないデミックスにナマエはついて歩くのが精一杯であった


『あー後、こっちがシオン。と、後は全部空き部屋だな、女がいねェから』


『あ、有難うございました…』


休む間もなく2階を一周し、恐らく覚えられたのはシオンの部屋が自分の部屋の隣であると言う事のみ。デミックスの案内は助かったが、出来ればもう少し丁寧にして欲しかったと思うのがナマエの本音であった。


『なァ、ナマエは彼氏いねェの』


『え……あ、はい』


部屋の案内をしてくれていたデミックスの口から飛び出したのは彼氏云々の質問。突然話題を変えられ戸惑うも、未だ彼氏らしい彼氏が出来た事のないナマエが質問に答えた途端…


『んーじゃあ俺彼氏候補っ。何つーか、ナマエに運命感じた』


『う…運命…』


このご時世に運命を感じたなどと言って退ける人間がいたとは…と、ナマエがぼんやり思っていると、デミックスはナマエの両手をぎゅっと掴み、顔をくしゃっと縮ませ笑う


『取り敢えずは惚れてくれ』


『いや、そんないきなり…』


そもそも冗談で言っているのかもしれない…運命を感じたなどと平然と言う事の出来るデミックスは余り信用したくはない、と密かにナマエは思いながら苦笑いを浮かべた


『んじゃあゆっくり惚れてくれ。あ、でもなるべく早くなっ』


『……』


最早言葉も出なくなってしまう。出会った女性全てにも同じ事を言っているに違いない…


『あ、俺結構一途だから』


『あ…あはは…』


思っていた事を見透かされてしまい、思わず笑って誤魔化す。


…この人を好きになったら良くない事が起こりそう…


苦笑いを浮かべる顔も引き攣り、デミックスに抱いた印象は出来る事ならば余り深くまで関わるべきではないだろう、と最悪なものとなってしまった。


















(不安要素)


悪い人じゃないとは思う、けど…






(Dasher)


















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091212めぐ(訂正100314)
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あきゅろす。
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