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ハローマイハニー!(幻水TKツァウベルン)

(ハローマイハニー!)
大好きな大好きな貴方へ




『やァ、ナマエ♂君おはようっ』


『おうっ。朝からテンション高ェなお前』


早朝、まだ陽が出て間もない城内に響く爽快な声。彼、ツァウベルンが城にやって来てからと言うもの、こういった事は最早日常茶飯事となりつつあると城の主、ナマエ♂は密かに思っていた。


『ああ、朝は明るく元気にお早うと相場が決まっているからねっ』


どういう訳か、彼はナマエ♂とは別ベクトルの元気さがある。それが彼の取り柄と言えば取り柄であるのだが、普段口数の少ないツァウベルンの同郷であるビュクセからすれば煩い人間に値していた。


『ところでナマエ♀を見なかったかい』


『ナマエ♀…あァ、ナマエ♀ならさっき…』


言い掛けてナマエ♂は両手で口を覆うと、明ら様にしまったという表情を見せ、ツァウベルンがそんなナマエ♂を見過ごす訳もない。


『どうしたんだい』


『いや、口止めされてたんだった』


ナマエ♀直々に口止め。それは益々知りたくなると言わんばかりにツァウベルンは大きく笑って見せ、ナマエ♀が居そうな場所を片っ端から探してやろうと考えた。


『大丈夫だよナマエ♂君。自力で突き止める事程楽しみな事はないと私は思っているから』


無論、ナマエ♂は特にツァウベルンを止めようとはしておらず、片手を上げて去って行くツァウベルンを唖然と見つめるのみであったのだが、危うく口が滑りそうになった事がナマエ♀にばれないようにと密かに祈る。


『あァ…ナマエ♀殿ならば最近良く森に入って行かれるのを見掛けますよ』


今朝も後ろ姿だけだが見掛けたと親切に教えてくれたアスアドに大袈裟に礼を言って歩き出す。


『へ…あー…なんか最近良い匂いすんだよね、ナマエ♀ちゃん』


だらしなく鼻の下を伸ばしてナマエ♀の様子を伝えるリウにツァウベルンは又もや大袈裟に礼を言い、ここぞとばかりに笑顔でナマエ♀に手を出したら容赦はしないからねと肩を叩き、再び歩き出した。



















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