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始まりはアトリエ(MK*グンナル)

(アトリエの両想い大作戦の話-1-)
先輩命令は絶対。らしいです




グンナル先輩の気紛れと思い付きは、本当に突然で…



『え、ニケちゃんとヴェイン君が…っ』


『グンナル先輩の素敵恋愛センサー情報からなんだけどね』


アトリエに来るなり、フィロちゃんに腕を引っ張られて、ロフト下に連れ込まれた。連れ込まれるなり言われたのは、これまた唐突な話。俄かに信じ難いのは勿論、以前ロクシス君がパメラちゃんの事を好きだなんてデマを察知したグンナル先輩の素敵恋愛センサー情報だから。


『ニケちゃんは沢山お婿さん候補作るって言ってたから、その延長…とかじゃないのかなァ』


抑、ニケちゃんは獣族で私達とは恋愛に対する考え方が違う。それは、獣族は少数民族だから、沢山のお婿さんを作って、子孫を増やさなければいけないって事。だから、ヴェイン君がニケちゃんにとって、お婿さん候補にいるって事なんじゃないかなって、私は思うんだけど…


『それが、どうもヴェイン君がニケちゃんに片想いみたい』


『えェ…っ、ヴェイン君が…ま、まさかァ…』


フィロちゃんの言葉に、失礼だけど今度こそ本当に驚いてしまう。だってヴェイン君って凄く良い人なんだけど、恋愛とかには興味なくて、どちらかと言えば皆仲良くって感じで…。そんなヴェイン君がニケちゃんの事を好きだなんて、驚かない訳がない。


『そのまさかなのだナマエ♀っ』


『きゃあっ』


一体どこから来たのか、いつから居たのか、相変わらず後ろから気配を消して登場するグンナル先輩に、私とフィロちゃんの悲鳴が重なる。何度も後ろから登場しないで下さいって言ってるのに、グンナル先輩はそんな事お構い無しな様子だし。


『良いかナマエ♀。あのヴェインが、だ』


『…良くある先輩の勘違いじゃないんですか』


念を押す様に、両手に拳を作って熱弁するグンナル先輩。だけど、どうにも胡散臭い気がして、私は疑いの眼差しを向ける。グンナル先輩に付き合わされたら、本当に碌な事がないのは皆も分かってる筈なのに。


『俺様の素敵恋愛センサーに間違いはないっ』


その、素敵恋愛センサーが一番怪しい…と、密かに思う。一度酷い目に合わされたロクシス君なら、私と同じ意見なんじゃないかって、ロクシス君を見ると…


『そうなの〜…それならヴェイン君に協力してあげないとね〜』


『以前の私とパメラの事を考えると些か疑問だが………私だけ騙された儘というのも癪だからな』


パメラちゃんの隣で、不気味に笑うロクシス君がいた。笑うロクシス君の目は笑っていなくて、それはそれは…前回パメラちゃんが好きだなんてデマを流された事を根に持っているのが見え見えだった。


『ふはは、俺様は楽しければ何でも良い。例え勘違いだろうがなっ』


『…勘違いじゃ駄目ですよ』


さりげなく、勘違いでも構わないなんて言ってしまってる辺り、今回も変な自信と好奇心だけがグンナル先輩を動かしているんだって理解する。


『でもそれが本当ならヴェイン君に協力しないとっ』


『ううん…なんか怪しいなァ…』


フィロちゃんなんて、目をきらきら輝かせている。勿論、私だってヴェイン君が本当にニケちゃんの事を好きなら応援してあげたいと思う。


…でも、やっぱり胡散臭い。


『と、言う訳でだ。我らは今から運命共同体。ヴェイン、ニケの両想い大作戦を決行するっ』


『もうその気だし…』


どうやらグンナル先輩は私の言葉も聞こえていない。これはもう、どうあっても両想い大作戦を決行しなければ、私がどんな目に遭うか分からない。だからと言って、それでヴェイン君がどうなっても良い訳じゃないけど…


『良く分かりませんけど、これもヴェイン先輩の為ですよっ』


『…こんなんで良いのかなァ…』


アンナちゃんも既にやる気満々。


どうやら、このアトリエは又もや一波乱ありそうな予感です…。



















(嫌な予感と好奇心)


似ていないようで、隣合わせ





(始まりはアトリエ)


















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めぐ
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あきゅろす。
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