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無題/オリジナル
あ、春の匂い…






下足室を出て、放課後の空を見上げたらどんよりとした空から白い雪がはらはらと落ちるのを見た。今は1月、去年なんかは1月に大量の雪が積もって雪掻きをする先生方を横目に帰っていたから今年は未だ暖かい方。


暖かい方と言っても寒いもんは寒いから顔の半分をマフラーで隠してグラウンドを一人歩く


『寒い…』


季節からくる寒さだけじゃない。昨日まではあった隣の温もりがなくなったという事もある。本当にやってしまった。この寒い季節に温もりを失ってしまうなんて割れながら馬鹿過ぎて涙も出ない。出るのは白い息と乾いた笑いだけ。


何で付き合ったかも分からなかったけど、何であたしが振られたのかも分からない。付き合っているってだけで全てを捧げてしまった。本当に馬鹿みたいだと自分でも思うけれど手放されてしまったんだから仕方がない。あたしにはどうする事も出来なくて、唯コートのポケットに両手を突っ込む事しか出来なかった。


『うわ、寒ィ…っ』


後ろで声がする。出来れば今は静かに歩きたいから静かにしてくれなんて勿論言えないから早足で歩く。さっさと寮に帰って火燵に入って、それからそれから…


あきゅろす。
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