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勝ったかどうかの記憶も曖昧

(勝ったかどうかの記憶も曖昧)
呑むなら吐くな、吐くなら呑むな




階段を一段上る度に込み上げる嗚咽感にロッド使いのナマエ(FF7・BC用)は立ち止まりそうになる気持ちを、残った平常心で堪えてみせる。早く部屋に帰り、この気持ち悪さから解放されたい。明日は二日酔いで一日中気分は優れないだろう。そんな事を思いながら、縺れる足を必死に動かしている。


『だからあの時、もう止めといたらって聞いたのに』


ロッド使いのナマエ(FF7・BC用)の肩を抱き、ロッド使いのナマエ(FF7・BC用)が倒れないよう支えとなって歩くナマエは自業自得だと付け加える。明日は休みだから久しぶりに呑まないかと誘われ、安っぽい店で酒を酌み交わした。酒の肴は任務での失敗談。主にロッド使いのナマエ(FF7・BC用)の失敗談であったが、ナマエの笑い声が途絶える事はなかった。


『お前…酒豪だよな……うェ……気持ち悪ィ…』


『まァね。ほら、部屋着いたよ』


ロッド使いのナマエ(FF7・BC用)とは対照的に、ナマエの足取りはしっかりとしている。ロッド使いのナマエ(FF7・BC用)も決して弱いという訳ではなく、どちらかと言えば強い方なのだが、ナマエの強さには遠く及ばなかった。以前、酒豪として名高いレノがナマエに潰されたという話は嘘じゃなかったのだと、途切れそうになる頭で思う。


『やべ…吐きそう…』


『もうっ、仕方ないなァ…まだ歩けるよね』


鍵穴に鍵を差し込む事すら儘ならないロッド使いのナマエ(FF7・BC用)から鍵を奪い、急いで扉を開ける。ロッド使いのナマエ(FF7・BC用)をベッドに寝かせればある意味任務完了だと考えていたナマエの考えを打ち砕くロッド使いのナマエ(FF7・BC用)の悲鳴。このまま放っておけば、嘔吐物塗れになった部屋を片付けてくれとロッド使いのナマエ(FF7・BC用)から連絡が入るのはまず間違いがない。ロッド使いのナマエ(FF7・BC用)を放した手を再びロッド使いのナマエ(FF7・BC用)の背に回すと、ナマエは玄関を潜る。と……


『…好き、だ』


『…………へ』


途端、ロッド使いのナマエ(FF7・BC用)の瞳に自分の姿が映った事にナマエは言葉を失った。否、どちらかと言えばロッド使いのナマエ(FF7・BC用)が嘔吐物の代わりに放った言葉に驚いていた。熱に潤んだ瞳はナマエだけを映し、着崩れたシャツから覗く胸元が厭にロッド使いのナマエ(FF7・BC用)から色香を感じさせる。ナマエも矢張り少しは酔っているのか、いつもならば冗談だろうと笑って返す告白に縛られたように動く事が出来なくなっていた。


『だから、好きなんだよ…お前が』


『ちょ、ちょっと…何でこんな時に…』


ナマエの言う事は尤もである。どこの誰が、吐きそうだと吐かしているにも関わらず、愛の告白を吐くだろうか。矢張り冗談なのかと半ば諦め掛けたその時、ナマエは自分の身体を支えにして立つロッド使いのナマエ(FF7・BC用)の重みを感じる。熱に帯びたロッド使いのナマエ(FF7・BC用)の手がナマエの身体を無理矢理引き寄せ、二人の距離が突然に縮まる。


『こんな時ぐらいしか言えね……うぷ』


『あーッ、は、早くトイレ…っ』


ロッド使いのナマエ(FF7・BC用)が自分を誘った理由はここにあったのだと、理解したのも束の間。雰囲気も返事も、何もかも打ち壊したロッド使いのナマエ(FF7・BC用)の悲痛な叫びが、奥にある狭い一室に響いていた。



















(流石、クラッシャー)


返事は明日、朝食時にでも…




















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100610めぐ
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あきゅろす。
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