僕が大好きなひとは、僕を性的な意味で食べるのが大好きです。 「もっ……、やだぁ、んあ! も、できなっ……あーーッ!!」 「まーだ。もっとキモチヨくしてやっから」 「いやだ! もうっ、やめた……あっ、アーー!? そっそれダメ、」 「後ろだけでイく練習」 「ヤダヤダヤダァァァ!! おかしくなっ……あああぁァァァ!!」 「もう少しだと思うんだけどなァ」 「……」 「我慢してねーか? 出そうになってんの抑えてるとか」 「……」 「なに出しても引かねーかんな? むしろ出したいから。出すためにやってるから」 「……」 「ん? 返事もできないかんじ?」 「……みず、」 「あーごめんごめん。待ってな」 するっとベッドを抜けてく後ろ姿が悔しいほどカッコイイ。肩甲骨くっきり浮き出てるとことか、肩から腕にかけて付いた筋肉の締まったかんじとか。 この腕が俺を抱いてたんだな……なんて思うと嬉しすぎて、でもそんな自分がキモチワルイ。 しかもペットボトル持って戻ってきたのに、 「……?」 「……ん、」 「……!? んぅ」 「……美味しい?」 「なっ!? なにやって、」 「可愛いおくちにダイレクトインしてみましたー」 さらっと恥ずかしいことすんだよコイツはァァァ!? び、びっくりすんだろーが!! ドキドキ……してねーし! おおお、驚いただけだから!! 10も歳上なのに。 歳上だから? することなすこと色っぽくて、子供っぽさまで男の色香が漂ってて、俺はどうしたらいいかわからねえ。 10年の経験値の差はハンパなくって、 「よし。漏れちゃってもいいように、風呂でするか」 「な、なな、なに言ってんだァァァ!? ご近所迷惑だァァァ!!」 「お、でっかい声出してんのは知ってんだ?」 「おまっ! おまえが出さしてんだろーがァァァ!? 少しは反省しろォォォ!!」 「しない」 「……」 「気になる? 今さらだと思うけどねぇ。んじゃ、ラブホ行くか」 「!? ……ど、どこ、って?」 「ファッションホテル。御休憩処。ま、言い方はなんでもいいけどよ」 「んな!? んなとこに、おおお、男2人で行けるかァァァ!?」 「行けるんだなコレが。よし、行こう」 「ちょっ、今から!?」 「そ。今から」 無理。展開が急すぎてついていけねえ。 カラダもガタガタで動けねーんだよ! 「じゃ、車出すわ。車まで抱っこしたげる」 「されてたまるかァァァ!?」 「そんだけ騒げれば歩けるよな。服着る? 俺としては素っ裸で『誰かに見られちゃったらどうしよう』って悶える十四郎もそそるけど」 「犯罪だろソレ!?」 「じゃあ上だけ着よっか。下は見えそうで見えなそうで見えちゃうかも……」 「黙れェェェ!! 履くわボケェ!?」 「そう? じゃあ露出プレイは許してやんよ。早く支度しな?」 「……!!!?」 まんまとハメられた俺は、テンション上がりっぱなしの銀によって、車に押し込まれる。 「くちばっか立つのは変わんねーなテメーは!?」 「そう? 昔は自重したよ」 「……!」 「今は十四郎を食べるためなら、なんでもするね、俺ァ」 紅い瞳をきらきらさせて、とんでもないことに労力を費やすアホな大人。ガキみたいな男。 なのに俺は、うんざりの体を装って、密かにどきどきしてるんだ。 このひとの、男臭さに。 ああもう、食べられてんだな俺。 幸せだったりするのは、ちょっと言えねえけど。 |