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万事屋未来篇
会議を開く【万事屋の仕事 2】

「お、おい別に屋号変えるこたァねえだ……」
「黙ってろヨ新入りのくせに。今思いついたの忘れちゃったネ。思い出せヨ、私の代わりに」
「や、無理、」
「やれヨ土方、おまえならできるネ」
「嫌な野郎思い出すから止めろっつーか教わっただろ明らかに!?」
「うるさいな土方さん、ちょっと僕らが考えてる間に焼きそばパン買ってきてくださいよ。もちろん土方さんの金で」
「オィィィイ!? あのヤローやっぱ斬っとくか!?」
「十四郎うるさい。代案ないならジャンプと、あといちご牛乳も買ってきて」
「テメーは半端にオリジナルで腹立つわ!?」


どういうことだ。
俺には発言権がないのか。
つーかこいつらの耳はどうなってんだ。
反対意見は聞こえないようにできてんのか便利だなオイ。

「変える必要がないって言ってんだよ! 面倒だろ。届出し直したり看板だのチラシだのいろんなモン書き換えたり、不必要な手間が増えるだけだっつってんだ」

至極真っ当な意見だろ。
なんで無視?

「ぶっちゃけ『トシ』って呼び方気に入らねーんだよな。ゴリラ思い出すから」
「誰がゴリラだ。それにトシって呼ぶヤツ他にもいるぞ」
「せっかく『元真選組副長』ってブランド手に入れたわけですから、いっそキッチリした名前に変えません? 『銀ちゃん』なんてだらしないネーミングじゃなくて」
「オーイそのだらしないネーミングの得体の知れねえ店で、テメーは何年働いたんだ」
「あんまキッチリすんなヨ、お役所仕事みたいの来たら私できないアルからな。バカに難しい仕事させんなヨ」
「イヤ覚えろよソコは」
「うーん」
「うーん」
「うーん」
「オイ聞けよォォォオ!?」


ああ、どこに行っても俺は説教しねえといけねーのか。
常識人は苦労する。メ……新八はもう少し一般常識を知ってる奴だと思っていたが、如何せん周りが非常識過ぎて毒されたか。それとも傍目に見ていたから常識人に思えただけであって、周りのバカどもと比較しなければこんなものなのか。
しょうがねえ。
ここは真選組の問題児をまとめ上げた俺の力、とくと見やがれ。




「いい加減にしろォォオ!」
「お?」
「わっ!!」
「なにアル!?」
「さっきから大人しく聞いてりゃ細かいことをガタガタグダグダ、いつまでやりゃァ気が済むんだゴルァ!?」
「おー……」
「あ、すいませんつい、」
「……悪かったネ」
「新八ィィ! テメーはブランドブランドうるせーんだよ! ンなモンなくたって万事屋はこれまでやって来ただろォが! これからもだ。違うか!」
「!! そうですね、すみませんでした!」
「それから神楽ァァ! オメーは少し働けや! いつまでもアルアル言ってんじゃねーぞ、普通にしゃべれるってネタは上がってんだ! アルアル言ってもいいから電話くらい取りやがれ!」
「う……わかったヨごめんネ」
「最後に銀時ィィィイ!!!!」
「ハイ」

「テメーがくだらねーこと持ちかけんじゃねェェェ!! ここの大将はテメェだろうが!? ドンと構えてなくてどうする! テメェはンな、細けェこといちいち考えてンじゃねえ! 大局を見ろ!」
「ハイ。すいませんでした」



「よし。テメーらわかったな。細けェこたァどうでもいいんだ」
「おぉ、」
「はいっ」
「イエッサー」
「大事な所だけ押さえろ。そして効率よく動け」
「うん」
「はいッ」
「わかったアル!」



「重要なのは、だ」
「なのは?」
「……(ゴク)」
「なになに!? 何アルか!?」






「俺の名前に『ちゃん』なんぞ付けんじゃ、」




「「「そこかよ」」」







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