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神の宣託


土方:神様、私はモテるのかモテないのか、どっちですか?

神様:今すでに、ホモテてるようだが?

http://shindanmaker.com/510925
「…モテるのかモテないのか、神様ハッキリして下さい…」より






「どういうことよ。土方くん」
「げっ。いつからそこに」
「ずっといたんだけど。気配消して」
「気持ち悪いわ!」
「はいはい。後で聞くから。で? どういうことよ」
「なにが」
「これまたスッ惚けちゃって。これ怒っていいよね。銀さんキレていいよね」
「……」
「ちょーっと我慢してやっから言ってみな」
「俺が聞きたいわ。ンな物好きはテメェだけだと思うぞ」
「いやいやいや。そうじゃなくて」
「? なんだ」



「どうしてそういう質問をしようと思ったの。そこんとこハッキリしようか」



「……」
「いろいろ答えはあるよな。浮気しようと思って適当に見繕おうにも、地雷踏まねえか心配だったとか」
「浮気って。他のヤツに惚れたらそっちに移るわ」
「……あっそう。男前でよろしいけれども」
「……」


「誰かに迫られたとか? ジミーくんとか。ゴリラは、お妙一筋っぽいし安全牌だと踏んでたけどお妙諦めたとか。伏兵沖田くん?」
「やめてくんない。やめてくんない!? 想像しただけで寒気するから! なんでその顔ぶれだよ死ねよ」
「なら幕府の要人か。もしかして天人とか……」
「どれでもねえよ!? そもそも迫られてねえ」


「あっ!? 女か!? も、もしかして見合いとか結婚とか……」
「するかボケェェエ!? 一生せんわァァァ!!」
「そうだよな、オトコに掘られて感じるカラダだもんな。女じゃ我慢できねえよな」
「そんな身も蓋もねえ理由じゃねえから。断じて違うから」
「蓋っつうか、緩んで実が出て……」
「そこへ直れェェェエェ!? 叩っ斬ってやらァァアァア!!」
「またまた、照れるなって」


「ハァ、ハァ……て、テメェが考えてるようなことじゃねェから! も、深読みすんな! あっち行け!」
「ちょっと待て。話は終わってねーよ」
「あっ、離せバカ! 馬鹿力! 苦しいんだよ襟掴むなバカ!」
「疚しいことがあるから逃げるんじゃねーの? あん? バカ連発すんじゃねえの?」
「ねえよ! ちょっと興味あっただけだ!」
「なんの興味かって聞いてんの。おめーがモテるのは鉄板だろ。設定上外せない決まり事だろ」
「知るかァァ! モテたシーンがひとつでもあったか!?」
「キャバクラとか。天空の城とか」
「天空の城は違うだろ!? それより、むしろテメェのほうが……ッ」
「ん? 俺が?」


「……なんでもねえ。忘れろ」
「ひじかた?」
「離せよ。仕事中、」
「ハッハーン。対抗心燃やしちゃったわけか」
「……」
「安心しろよ、変態女とか妙な薬嗅いだときとかさ、特殊なケースしか俺モテねえから」
「……」
「それにホラ、俺のほうが出番多いじゃん? ヤバイことが起きる率も高いし変人に絡まれる率も……って何言わすんじゃボケ」
「……そうかよ」
「酒飲んでハメられたとかな! あはははは……泣けてくるわ」
「ハメ外すからだろ」
「ハメだけにな! って上手くねえんだよ! それをお前、副長のモテっぷりと比較してくれちゃう!? なにその勝ち目のなさ過ぎる戦い、死んでいい!?」
「……ダメ」
「ダメだよな!? よし、ちょっくら刀貸して……って死んじゃダメなの?」
「……」


「ねえねえ、どったの? なんか心配ごとあった? ちなみに銀さんは浮気とか一切ねえよ、誰かに惚れられてもねえよ?」
「そんならいい」
「え、やっぱり対抗してたのかよ。くっだらね。ムカつくけどその点でおめーに勝てる気がしねえから、そこだけは安心しろよな。あと浮気の心配もねーから」
「わかった。じゃあ離せ。仕事中だ」
「おう……」


スタスタスタ、
ぽかーん見送り


(仕事中に神様に話しかけるかねえ。クソ真面目なあいつが)



スタスタスタ……キョロ、キョロキョロ
ダッ……!!


(あ、あぶねえアノヤローどっから湧いて出たんだクソ)
(ほんっとバカだな、バカっつうか無神経っつうか、無頓着なんだよテメェは)
(ヘンな薬関係ねえだろ。テメェに惚れてるヤツいるだろうが)



『おや、真選組の副長さんでありんすか。こんなところまでご足労とは』
『自治の街ってのは承知してる。ただ情報を提供して欲しい』
『それは出来んせん。それではこの街の信用が墜ちる』
『情報源は必ず秘匿する』
『漏れるか、漏れぬかではない。漏らさぬことが吉原の誇り』
『……』
『とはいえお仕事に差し支えよう。わっちが直接主に話すことはできんが、間に一人挟んではどうか』
『どういうことだ』


『表の世界では知られておろう。万事屋の、坂田銀時ならこの界隈の情報はよく知っておる。聞いてみなんし』
『……よろずや、』
『それなりに親しくしておる。義理堅い男ゆえ、はぐらかされるやもしれん。その時はわっちの名を出しなんし』
『……ッ、』
『土方どの?』
『協力感謝する。邪魔した』




(なんだよあれ)
(ツーカーの仲ってことじゃねえか)
(確かめたくもなるだろうが、俺にホントに魅力があんのかって)



(他のヤツなんざどうでもいいんだよ。お前が惚れててくれれば)

「ハッ。違うこと聞きゃよかったぜ」







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