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『坂田くんと土方くん』消えたルート

iPhone失くして泣く泣く買い換えたら、昔書いて消えちゃったヤツのデータ復活してきました。
『坂田くんと土方くん』ホワイトデーと夏休みの間らしいです。





 そんな訳で、お泊まり会だ。

 どんな訳って、そりゃ……土方くんに招待されマシタ。そりゃあ熱烈に。ヤラシイことしていいって許可つきで!
 いきなり言うから髪は切ってなくてボサボサだし服も洗濯終わってなくてダッサイのしかねえし、心も荷物も何にも準備できてない。どうしよう。
 1000円カットで済ませるとエライことになるし、頭は弄らないどこう。うん。でも服はコインランドリーで洗濯しよう。母ちゃんが勿体ねえとかなんとか叫んでるが知るか。小遣いでやるっつーの。俺のバイト代搾取してる癖に。そんくらいいいだろ。
 土方んちに泊まるって言ったら意味深な笑い方しやがった。無視だ無視。ほっとけ。それどころじゃねえんだ……って母ちゃん大丈夫か。土方が女の子だと勘違いしてねえだろうな。前の彼女んちに泊まったときもこんな笑い方してたけど。

「つけるモンつけなさいよ」
「ブッフーー!?」

 何を言ってるんだこの大人。オイオイ何それ。準備よく何出してきてんの。迷惑だよ。なんでそれ持ってんだアンタ。まだお盛ん……って息子になに言わせんだ。

「要らねーよ! 俺はLサイズなの!」
「へえ、意外」
「だあァァァ!?」

 ちょ、なにカミングアウトさせてくれてんの。もうやだこの親。助けて。
 部屋着のまんま洗濯物を引っ掴んで家を飛び出した。えっ、コインランドリーの癖に40分も掛かんの? こんな少量なのに? えっこの時間何すればいいの俺。気まずい。誰も気にしてないけど。あ、もう一回うちに帰って今洗ってんのに着替えるから母ちゃんの視線が痛いな。これは気まずい。ほんともうやだ。
 気まずいから家ではなくランドリーで待つことにした。コンビニで立ち読みとかしようにも、部屋着で来ちまったからあんま出歩けない。恥ずかしいだろ、スウェットはゴム伸び伸びだしTシャツは首ヨレヨレだし。それに走って来たから頭ボサボサ。出歩けるかコノヤロー。
 置いてあった先週のジャンプを勝手に読み始めた。何度読んでも笑えるはずのギンタマンが、笑えない。ストーリー頭に入ってこない。セリフ暗記するほど読んだのに思い出せない。それよりページ進まない。
 土方……いや脳内だから十四郎でいいよ。誰も聞いてないし。十四郎んち行ったらまず何しよう。いきなり押し倒したらそのために来たみたいで俺は野獣かってハナシだから、少しは我慢しよう。宿題なんか持って行ったりして、教えてもらうか。俺数学とか全然わかんねーし。
 十四郎の部活が厳しくて、成績に3が四つあったら大会出場メンバーに入れないとかで、あいつは結構まめに予習復習してる。それが勉強時間の一番の短縮方法なんだそうだ。俺はやんないけど。それがイヤで剣道部入んなかったんだし。帰宅部はそんな規制ないからね。緩いから。
 宿題やったらメシだな。食いに行くのもありだけど、作ってあげようかな。俺の炒飯大好評だし。高杉が俺の炒飯食いまくってて十四郎が一度も食ってないなんて許せない。
 高杉どころかこないだなんか河上まで食ってった。寄り添って『美味いな』『そうでござるな』とか俺の目の前でやってくれちゃって、作った俺にひと言ないのかって説教する気も萎えた。二人の世界にイッちまうのはいいが俺んちでトリップすんなハゲ。精神的にハゲ。
 そんで、ちょっとトークタイムとかして、風呂借りよう。えっ、風呂って一緒に入っていいのかな。彼女んときはギャーギャーうるさかったから風呂は別行動だった。お風呂エッチって発想がなかった。思えば冷静だったな俺。彼女が出てくるまでジャンプ読んで笑ってたもんな。あの時のギンタマンはシリアス回だったのに。先週のはギャグ回なのにニコリともできないってどういうこと。

 風呂が終わったらどうする。マッパで十四郎のベッドにGOか。いいのかそれで。パンツくらい履くべきか。その場合新しいパンツか。そうだよな、風呂上りに前のパンツ履きたくねーよ。つか勝負パンツ洗濯し忘れたよ。イチゴのトランクスどこ行った。うわぁ、パンツ買ってこ。今は無理だけど。
 そそそ、そんでいよいよ十四郎のベッドであんなことやそんなことだ。最初は優しくキスしよう。こないだは怖がってガッチガチだったけど、今度は怖くなくなるまでキスしよう。慌てないで、気持ちイとこ探そう。女だと胸とか乳首だけど男でもそれでいいのか。ほんといいのか?

「あっ、もしもし。俺。ちょっと教えてくんない」
『俺たァ誰だ。バカパーマ』
「わかってんじゃん、って俺はバカじゃねーかんな低杉! パーマはオサレパーマです」
『切っていいか』
「待って! 高杉おまえ、乳首どうしてる?」
『…………死ね』

ブツッ、

 なんだよケチ。どうせ河上とギシアンなんだろ。教えてくれたってよくね? ああ、本人に聞くか。

「河上? 坂田だけど。おめ、乳首気持ちイイ?」
『拙者は知らん。晋助は弱い』
「えっ!? アイツが受けなの!?」
『悪いか』
「イヤイヤ、意外っつーかびっくりっつーか想像したら二度びっくりっつーか」
『想像するな! 主の汚らわしい脳内再生に晋助を使わせぬでござる早速そのクルクル脳味噌をくり抜いてや』
「二度としませんゴメンナサイ」

ブツッ、

 うっひゃー! 人様ンとこなんて参考にしちゃいけないわ。うん。余計なこと聞いちまった。てっきり高杉はいじめっ子のほうだと思ってた。ああ、でも河上カッコいいしな。十四郎が惚れかけたくらい……否! あれは誤解だったんだ、十四郎は俺が好きなんだ! そうしてくださいお願いします。

 じゃあ乳首は触ってみて嫌がるようだったらやめて、男はやっぱりアレでしょ! こないだ一生懸命シてくれたから、今日はめっちゃキモチヨくしてあげよう。オクチでしちゃおっかな、むふふ。びっくりして泣いちゃうかな。


 おっと洗濯終わったぜ。急いで帰って着替えて荷物作って買い物して、早く十四郎んちに行こう。


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ここで途切れてました!
どうするつもりだったかすっかり忘れた。
坂田くんはオクチでしたんでしょうか。
とにかく紛失には気をつけましょう(どの口が言うか(そのクチじゃねーよ!←orz




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あきゅろす。
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