小説:俺は弟が大嫌い。
2
あれは確か俺が小学校4年、智樹が3年だった。
この時はまだ俺達は仲良し、というほどではないがまぁ普通の兄弟だった。
俺が高学年になり、母親が成績を気にし始めた。
高学歴の母親はプライドが高く、県内有数の高校に進学させたいようだった。
そして俺達は大手の塾に入塾させられた。
母親は仕事に生きるタイプの人間で、子供にあまり感心を示さなかった。
まだまだ母親に甘えたい年頃の俺は思った。
一生懸命勉強して、いい成績をとればきっとお母さんは俺を大切にしてくれる、と。
今考えると、なんて歪んだ関係の親子なんだ、と思う。
しかし、子供の俺は愛してもらうことしか考えず、ひたすらに勉強をし続けた。
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