小説:生徒会庶務の災難
2 過去
ずっと続くと思っていた小さな幸せ。
なんで、幸せって長くは続かないんだろう。
「…っ、アンナっ、」
ーアンナが、車に轢かれた。
俺のせいで。
俺はよく、目眩を起こす。
アンナと道路を渡っていて、突然目眩を起こし、車道の真ん中で倒れてしまった。
もう、薄暗かったからだろうか。
車は倒れている俺に気付かず、スピードを出したまま走ってきた。
『瑞季っ!!』
アンナはそれに気付き、俺を庇った。
そのせいで、アンナは…
『アンナっ…、ごめん、俺っ…』
『…みず、き、…泣かないで…』
アンナが、俺の涙を拭ってきた。
『私ね、瑞季のこと…大好きだった』
『…え?』
アンナの手が頬から離れた。
アンナの触っていた頬を自分で触ってみると、
俺の手は真っ赤になっていた。
そこからの記憶はない。
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