小説:生徒会庶務の災難
2
「あ、の…」
ん?なんか小さい声が聞こえる。
「せん、だい…それ、俺が…」
あー、忘れてた。
こいつは書記。
生徒会で唯一俺をちよって呼ばないやつ。
基本生徒会の奴等は好きじゃないが、こいつは例外。
生徒会の奴等は容姿と家柄を理由に調子乗りまくってるが、こいつはそんなことないし。
そして、喋ることがあまり得意ではないらしい。
でも最近は、結構喋れるようになってきたんじゃないかな、うん。
「こら、ちよ!何をサボっているのですか!」
副会長がギャンギャン喚いてる。
別にサボってねーよ。ちょっと喋ってただけだよ。
そしてどうでもいいけど、何故俺だけ怒る?(苦笑)
「さっき副会長から渡された荷物、書記が運んでくれるって言ってただけだけど?」
「っ、な!?私はチヨに運べと言ったのです!」
誰だっていいだろ。どんだけ俺をこき使いたいんだこの人は。
副会長の大声に、書記がビビってしまってる。
怯えた犬を見ているようで胸が痛む…
「わかったよ、俺が運ぶから静かにしてよ」
「なんなんですか!その態度はっ!」
ズビシと俺を指さす副会長。
…ほんとうるさいな、この人は。
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