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小説:生徒会庶務の災難
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『また騒ぎだしたよ…うっせぇなぁ』

『仕事してる千代様がなんで怒られなきゃなんねーんだ?』

生徒会役員が仕事をしていないのは、既に周知の事実らしい。

皆転校生とその他を睨んでいろいろ言っている。

「な、なんだよお前らっ!!なんか言いたいことあるならハッキリ言えよっ!!」

「翔太、もういいですから」

慌てて副会長が転校生を止める。

さすがに気が咎めたらしい。

転校生を落ち着かせたあと、副会長が俺に近寄ってきた。

俺のネクタイを掴み、強制的に顔を近付けさせられる。

どうやら周りに聞こえないように喋りたいようだ。

「強がらないでください。この前倒れたでしょう。本当は私達がいなくて困っていますよね?」

「…」

この人は何が言いたいんだ?

意図がわからない。

少し焦っているように見える。

「私達に、戻ってきて欲しいですよね?」

はぁ、なるほどね。

俺に戻ってきて欲しいと言わせて、勝ったような気分になりたいのか。

仕事に支障がないと言われて悔しいのか、優越感に浸りたいのか知らないが、無駄にプライドが高いな。

「何度も言わせるな。あんたがいなくたって生徒会はしっかりと機能している。」

そう言うと、副会長が俯いて固まってしまった。

「…!?」

顔を覗き込んで、吃驚した。

副会長が泣きそうになっている。

俺も固まってしまった。

「あっ!!海人!!どこ行くんだ!?」

副会長が教室から去り、転校生が驚きの声を上げる。

そっちを見ると、鈴木が鼻血をたらしながら親指を立てて俺を見ていた。

俺は驚きのあまり、そんな鈴木に構っている余裕もなかった。

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