ごちゃまぜどころ
出会ってしまう
こんにちわ、今だに会長様に会えてない親衛隊隊長の花宮です。
只今嵐到来中。
「なあなあ!お前なんて名前なんだよ?!すっげー可愛いな!」
…知っとるわ。可愛い系なのは中学の頃から存分に知って利用してきたんだぞ僕は。どちらかというとお姉様系が好きな僕的にはナイスな外見に生まれたと思う。めちゃくちゃ可愛がられた。ああーこれで身長もう少しあればなー。まあ、その分カバーするのためにも筋肉つけましたとも。可愛い顔して脱いだら凄いんだから僕。ギャップにお姉様もクラクラだったよ。会いたいなー桜さんに都さんに幸恵さんにリアナさんに…
「おいっ聞けよ!」
「えー?君一年生だよねぇ?なんでこんなところいるのぉ?」
おっとートリップしていた。危ない危ない。周りを見渡せばクラスメートの皆様。はい、確実にここ二年生の教室ですね。
「そんなことどうでもいいだろ!それよりも俺の質問に答えろよ」
ボサボサの黒髪は最近見慣れるようになったものとは違い人工くさい。うん、鬘だよねそれ。なんで?
それにしても俺様な主張だな。見た目がイケメンだったらもてただろうに。この学園我が強いの好きみたいだから。
「えーとぉ、僕の名前は」
「愛生、そんなやつに質問しないで僕のことみてよぉ」
きゃるるんみたいな効果音が何処かから聞こえた。目の前にはもじゃ公を後ろから抱きしめながら囁く可愛い人。
フワフワのピンク色の髪の毛に目ん玉落ちるぞと思わせる大きな瞳。唇は小さくて、鼻も小ぶりで高い。華奢な体をダボっとしたキャラメル色のセーターが隠していた。
すごい。レベルが高い。ちくしょー女子だったら口説いてるのに。年上好きですが、基本的に綺麗な人は好きです。しかしここは男子校。つまりこの子ももちろん。
「僕の愛生に手出してんじゃねーよ。」
もじゃ公の耳を塞ぎながらそうドスの効いた声で囁いた。僕しか聞こえてないんだろう。はたから見たら可愛く頭を傾げてるようにしか見えない。
まさかの腹黒。
それにしちも素の口調男らしいですね。オトコらしいですね。夢砕かれた感じで僕涙目。
「雲母!手話せよー!」
ギャーギャーと声を上げて騒ぐもじゃ公。うん、尋を思い出す。因みに今小3の可愛い僕の弟だ。
「ああーごめんねぇ」
えへとばかりに舌を出す。きゅん。可愛い!ああ、男じゃなければ!
それにしても雲母って…。会計?
周りのヤジを聞いてみたらやはり会計らしい。初めて見た。
「会計様ぁ」
取り敢えずかわい子ぶっておこう。これが親衛隊としての礼儀だ。
すると心底嫌そうな顔をされた。
うーむ。薄々気がついてたけどさ。やっぱり親衛隊特有のコレ絶対受け悪いよねー。みんなやってたから流されるようにこれしてたけど、絶対逆効果だよね。見てみなよ目の前のこの嫌悪を凝縮しちゃったみたいな顔。みんなこれやってるんだから間違いじゃないと最初思ったんだけどなー。僕もこういうぶりっ子タイプ嫌いじゃないし。分かってるけど騙されちゃうんだよね。だって男の子だもん。それにしても報われなさ過ぎて虚しさすら感じるから今度このことについては議題に挙げよう。
「君って会長の親衛隊隊長だよねー?全然目立たなかったくせに身体使って隊長になったんでしょぉ?そんなやつが愛生に近づかないでくれるぅ?」
これからの親衛隊の方針を決めたところでにっこり笑って可愛い口調でとんだ毒舌。というよりも、え?身体?いやいやいやいや。え?
分かったら近づかないでねぇ?バイバーイと嫌みたらしく手を振りながら今だに騒ぐもじゃ公を連れて会計は消えた。思わず放心して手を振りかえしてしまったら睨まれたけど。
それにしても。身体?え、それってズッコンバッコン的な意味だよね?…まじか。
仕事忙し過ぎて自分に対する周りの噂なんて気づかなかった。
「ケイ。僕今日驚きの事実を知っちゃったよ。」
「あ?」
「僕って身体で隊長の地位手に入れたって思われてたらしい。」
「お前…知らなかったのか。」
「うん。」
「気にするなよ。周りのこ「光栄だよね!」
「は?」
「あんな猫ばっかの親衛隊内で僕が身体使うってことは確実にタチだしね!そして相当なテクニシャンじゃなきゃ無理だ。」
「あん?」
「これでも中学校では一度は寝てみたい男の子ランキング上位だったんだよ!」
「は」
「あ、なにその半信半疑。残念だなー男いけたら証明してあげたのに。僕結構テク持ちなんだから」
「お前…タチか?」
「ドノーマルだけど試そうとした時はタチだったよ?」
当たり前じゃんという顔をするとため息をつかれた。失礼だ。
「試そうとしたのか。」
「勃たなかったけどね。」
もう何も言うまいとケイはため息をついた。
この学園の常識に僕を当てはめないで欲しい。
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