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ごちゃまぜどころ
お兄さんが説得いたしまして
side K

「カカシ先生!これどういうことですか?!」

「こいつの言動がおかしい。いや、この発言からすると今のこいつが本来のこいつなのか?!」

「カカ兄ってばなんか老けたってばね。」

「カカシよ…お主は何故持ち場を離れた…?!」

「えーっと。どうしちゃったのかなこの状況?」

カオス。カオスである。カカシが現れた途端一斉に口を開く部下達と火影様。

全員平静を装いながらも焦っていたのか自分の言葉をカカシにぶつけることに必死だった。

カカシはいきなり同時に話されて一瞬虚をつかれた顔をするがすぐに口元が引きつった。どうやら現状の輪郭が見えてきたらしい。

嫌な予感と推測が頭の中を飛び交った。いやいや、何故。そんなこと普通にあり得ない…はずである。そんなナルトが昔に戻ってるなんて…。


「カカ兄?」

いや、でもこの呼び方はあの頃のナルト特有のもの。まだ自分も若く、そして未熟だということに気づけていなかったあの頃の。

「火影様」

「ナルトが崖から落ちたらしくってのう。ある種の記憶喪失。精神が退行しておるようじゃ。」

「カカ兄ってば。俺ってば何故か忍者になっちゃったらしいってばよ。信じられない。抜けていい?」

いつもの無邪気さとは違う、幼さ。それを感じさせるどこか冷めきった発言にカカシは頭痛がした。

そんな抜けるだなんて軽々しく口に出すもんじゃ無い。

けれど今のナルトにそんなことを迂闊には言えないことをカカシは知っていた。

「ナルト、お前今何歳なのかナー?」

「カカ兄ってば話し方がなんか変わったってばね。俺は今六歳だってば。」


思わず溜息をつきそうになる。

なんでまたそんな。ドンピシャな…。ナルトの最盛期である。ひねくれ具合が最盛期。


「ナルト?忍者はいや?」

「嫌だってばよ。」

「この里以外だったら?」

「…別に。それならどうでもいいってばよ。」

「あんた何言ってる…むぐっ」

サクラが口を挟むのを後ろから押さえながら会話を続ける。

「じゃあ、ナルト。俺のために、忍者になってくれないかな?」

「カカ兄のため?」

キョトンとした顔をするナルト。最近は昔と違って明るく大人になってしまったナルトには珍しい可愛らしさだった。

「うん、そう。俺のため。ナルトが里抜けなんてしたら俺追っていかない自身がない。だけどナルトは俺の事情を知ってるだろう?」

「うん。」

「俺は欲張りだからどちらも大事なんだよナルト。だから俺のために、忍者になってくれないかな?」

「…………………分かったってば。カカ兄のためなら仕方ないってばね。」

そう言ってはにかむナルトは確かに六歳の頃のあのナルトだった。

可愛い。今すぐ抱きしめたいくらいに可愛い。けれどそれとは別にこれからのことを考えると頭が痛かった。



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