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ごちゃまぜどころ
なってしまった理由
こんにちわ、何故か何時の間にか親衛隊隊長になっていた花宮です。てへ。

どうして僕がこんな大それた地位をゲットしてしまったのか。それは主に僕の怠惰と当時の隊長さんがめちゃくちゃ天然だったことに起因する。そもそも僕は月一の出席必須の集会以外は出ない、体験学習として参加希望すれば出来る制裁練習プログラムにも一度も参加せず、食堂での声援は決まったルーチン、そして崇拝対象の会長様の名前すらうろ覚え顔は脳内のっぺらぼうという親衛隊にあるまじきほどのやる気のなさだった。そんなんじゃ浮くからと取り敢えず口調は周りに合わせて隊員と関わる時はひたすら空気に徹していた。存在感をなくすことにかけては僕は去年誰よりもプロっていたと豪語できるだろう。

まあ、ともかくそんな感じでかもなく不可もなくグダグダと親衛隊ライフを送っていたわけなのだが。そんな僕に気づいていた人がいた。言わずもがな、天然隊長である。

彼はどうやら集会に最低限しか出ないのは病弱だから、制裁練習プログラムに参加しないのは心が優しすぎるから、同じ言葉を繰り返すのは強くそう思っているから、会長様としか呼ばないのは恐れ多いからと謙虚な姿勢でいるから、顔をを覚えていないのは恥ずかしすぎて顔が見れないからだと解釈したらしく。

「僕、そんな病弱なのに健気に榊原さのことを想ってくれてる君に隊長をやって欲しいんだ!」

「え、いや、その(榊原って名前だったのか。てゆーかなんか物凄い勢いで誤解れてない?!)」

「大丈夫!もうみんなのことは説得したし、許可証も受理されたから!それじゃあ花宮くんっ!あとは任せたよ!榊原様のこと、こんなに想ってる君しか隊長は任せられないよ!じゃあね!」

「え、ちょ、ま」

チーン。というわけで断る間もなく隊長になっていた。真面目に活動しなかった罰が当たったのだろうか?僕はもともとダラダラ生きるのが好きだ。責任なんて負いたくないし、グループワークでも言われたことを適当にやるタイプだ。なのにグループワークのリーダーどころかクラスの委員すら飛び越えて、学園内で一二を争う親衛隊の隊長…はは、orz。

そして隊長になった僕に襲いかかる新たな試練。

取り敢えず制裁制度をもともと減らしていた天然隊長の意思を継ぎ、ある程度の例外を除き禁止にしてみたところでそれはやってきた。


もじゃじゃ。イケメンホイホイ。つまりは王道。瞬く間にハイレベルなイケメンたちはホイホイされてベットリともじゃもじゃにくっつくようになった。

学園内阿鼻叫喚。辛うじてまだ会長の親衛隊は禁止にしていたのと会長自身が一度しかもじゃ公に接触していないのが幸を成して制裁には至っていない。けど次は我が身とばかりにみんな警戒中である。

そんな不安定な親衛隊を安定させるのに僕は毎日必死である。ああ、僕のダラダラライフは遠のくばかりである。















だからなのか僕は今だに会長様を見たことがない。あーどうして写真が手に入らないんだこの学園は!親衛隊の規律のせいで隊員は崇拝対象の写真を持つことが許されない。所謂男の子この事情ってやつです。誰だって好きでもない相手にオカズにされたかないだろう。

しかしそのお陰で僕は直接でしか会長様の顔を知ることが出来ない。なのに隊長になってから忙しすぎて一度も会長様を見る機会がなかったため本当にどんな顔してるのかさえ分からない。

まあ、オーラありそうだし見れば分かるんじゃないかと楽観視している。

それが間違いだとも知らずに。


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あきゅろす。
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