ごちゃまぜどころ
5
あれから少し会話して山中は帰って行った。持って来てくれたらしい植え鉢は綺麗だったのでありがたく窓際に飾らせてもらっている。
口止めはしなかった。
それは別にばれてしまってもいいやと思っているから。恐らく山中は言わないだろうけど。
なんとなく始めた演技がここまで続くなんて思っていなかった。けれど別にこの秘密を死守してやるほどの義理まではこの里にないと思う。
まさかあり得ないほどの実力を隠してる訳でもなく性格と人よりも実は才能豊かだということを隠しているだけだ。
里にとって嫌悪の対象になろうとも害にはならないだろう。
「それで山中。なんでここにいるの?」
まあ、そんなことよりも目下の問題は何時の間にか俺の部屋に居着き始めた山中だ。
気づけば部屋に居る。多分鍵の隠し場所を見られたのがいけなかった。
「だーってー、ここ落ち着くんだもーん」
「帰りなさい。」
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