ごちゃまぜどころ
3
「え、あんたここあたしの部屋より綺麗なんですけど。」
呆然とした顔で土足のまんまリビングまでやって来た山中を横目に若干冷めたトーストと入れたてのコーヒーをダイニングテーブルに置いた。
今日はママレードにしよう。
「まあ、人の部屋に土足で入り込んじゃう山中に比べたら綺麗だろうね。」
「え…あー!」
「掃除は後でするから取り敢えず脱いどいで。」
ママレードを塗ったくったトーストを齧りながら手を玄関に向けて払うと気まずそうに山中は靴を脱ぎに行った。
「てゆーかあんたキャラ違くない?」
「今更気がついたの。」
恐らく玄関でやっと気がついたのだろう。そう聞いてくる山中に思わず笑ってしまった。鈍い。
「まあ、こっちが素だよね。普通に。」
俺の部屋に居るんだから気を使う気はサラサラない。平然とそう告げる。
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!