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ごちゃまぜどころ
アカデミー1
俺はオンオフをきっちり分けるタイプだ。


木の葉の中で俺に対する評価はダメ忍者だと思う。ある一定の年齢以下の奴らは俺に対する認識はこれをベースに作られる。ある一定以上になるとそこに九尾のガキというレッテルがべたりと貼られる。

まあつまりは俺はこの里のお荷物的な位置に属している。


煩く喚いて口先ばかり。ドジばかりで周りの足を引っ張る劣等生。そんなスタンス。

それは生まれ持って俺に与えられた仕事だ。幼少期なんとなく自分の立ち位置を理解してから俺はそれは俺の役目なんだと理解した。そして納得している。空気は読むタイプだからみんなのためにもドベでいてあげよう、そんな軽い気持ちで始めた演技。

無害に見せて里を安心させる。


俺一人の我慢でどうにかなるんだし別にいっかと思って今までやってきた。それ自体は苦ではない。というよりもそれが多分一番楽だと思う。認めてもらうために頑張るとかめんどくさい。

しかし人間とは複雑で、理解してても納得しててもストレスは感じるものである。そう、ずっとあのテンションは流石にキツかった。マジで、無理。

だから休みを作った。家にいる時は基本ずっとオフ。何があろうがオフ。プライベートスペースまで他人に気を使ってられるか。



そんな感じで毎日オンオフきっちり分けて過ごしてきた訳である。

部屋の中では基本誰に譲ることなく素の性格でいることにしているのでいつかはバレると思っていたのだが、このことは今だに誰にもばれていなかった。それでいいと思ってもいた。

今更じっちゃんが知ればなんか悲しみそうだし里人は知らない方が幸せだろう。アカデミーのやつらとは伝える必要がある程に仲がいいわけではない。そして何よりバレたあとの説明がめんどくさかった。



「えーと?あんた本当にうずまきなのー?」

「あーと山中?」

そんな訳で俺は今初めてオフの状態で知り合いと対面中である。




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あきゅろす。
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