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その日を境に続く名前の呼び合い。
最初は呼び慣れなくって大変だったのだが、間違って『賀川』と呼ぶ度に睨まれたので俺は急速に慣れた(というか慣れざるをえなかった)。
そう、いわゆるキッカケ。
それのお陰で、俺と宗吾は時間を共有する事が大分長くなった。
そうすると自然と見えてくる、不良っぽくない宗吾の姿。
つまりは無いと思っていた優しい一面。
それはこの前宗吾が『何でビクビクしてんだよ』と聞いてきた事があった時。
俺は殴られ覚悟で正直に『ピアスが怖い…』と言った。
だけど殴られる事はなく、次の日には『くそ、閉じちまうじゃねぇか』と文句をブツブツ言いながらも、宗吾は耳にあったピアスを全て外して来てくれた。
またある時俺が、『髪の毛が怖い』と言えば、次の日には『たまにはイメチェンもいいだろうが』と言って、宗吾は落ち着いた茶色に戻してくれていた。
あまりの宗吾の急な変化に、俺よりもクラスの皆が驚いていた。
そして急過ぎたせいか、クラスの皆も先生すらもついていけずにいた。
とにかく二、三日は暗黙の了解の状態が続いたのだった。
しかし、それは序章に過ぎなかった事を俺は知らなかった。
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