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俺はこれからの事を考えると、待ち遠しくて仕方がなかった。
基本、ラブホ代は俺が払う事になっている。
俺が誘ってるから、これは当たり前なんだろうけど。
それに赤音さんはどうやら、今は無職みたいだし。
だから俺は、バイトを始めた。
俺ん家は元々、結構お金を持っている方だからバイトをする必要は無いんだけど。
自分で働いたお金で…という事に意味があると思い、始めたバイト。
その事を赤音さんに話したら、『いちいち面倒くさい事すんね』と軽くあしらわれた。
それでも良い。
その内たくさんお金を貯めて、いつか普通のホテルで赤音さんと思う存分にヤる。
それが今の俺には、細やかな夢となっていた。
「早都ー」
そんな妄想に浸っていると、誰かが走りながらこっちに近づいて来て、俺の前で止まった。
いや、もう声で分かるのだが…。
「赤音さん」
「遅れてゴメン」
赤音さんは予定より30分後に現れた。
遅かったから事故ったんじゃないかと心配した。
でも赤音さんはちゃんと俺の所へ来てくれて、事故をしていないと分かったから良かった。
「俺、そんなに待ってませんから。大丈夫ですよ」
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