B こせがれとじじさま

長曾我部はひとまず(※毛利をしばきに参考)気絶してしまった毛利元就を放置するわけには忍びず、当初の予定を変更した。

彼の息子らしい人物達を宥め、彼を担ぎ陣まで帰し、輪刀が当たった為に赤くなった額にとりあえず冷えた魚をくくりつけ冷やし、大分と周りが落ち着いたところでお暇した。余計な所で微妙な面倒見のよさのスキルが発動してしまったのだった。

         (まみ)
そんなこともあってか見えた瞬間に輪刀を投げられるような過激なことは流石にされなくなった。

その後のある日の話である。元就は短期同盟を目的に広島城を訪れた元親をまずはたき、矢を用いて団結をとく、ではなく知略がどうのという何とも彼らしい話をしたのである。彼はふと、長曾我部はこの策をどう捉えるかと思ったらしい。


元就「このように矢を三本束ねるという策を(バキ)…おい、長曾我部貴様」

元親「…だから言ってんじゃねえかよ、矢を何本束ねてようが俺かからくりの力で粉々になるじゃねぇか。つか折れやすいぞこの矢…(ジー)」

どうやら毛利家の矢って折れやすいんじゃね疑惑が浮上している。

元就「何を言うか、貴様の馬鹿力のせいぞ…全く、我が貴様に感想を述べよと請うておるというに。死ね(餅モチャモチャ)」

元親「…物凄く上からな。あんた、策略家って言っときながら何でそんなに意固地なんだよ」

元就「ふん、貴様には関係なかろう(ツン)」

元親「大体なんでまた折れやすい矢がどうのこうの…(あーあ)」

元就「我は貴様の言う、からくりなぞ解せぬ。第一孫に教えるには簡単であろう。ホレ、こやつが我が孫の輝元だ(ヒョイ)」

輝元「(ジー)…どうも」

元親「ま…孫ォ?!有り得ねぇだろこの顔で!(指差し)」

元就「指を差すな(グキッ)」

元親「うぎゃあああ指がああ」

輝元「マジでございまするよ…お祖父様、御餅がきれております故作って参りますね」

元就「…うむ」

輝元「長曾我部様はこれを(氷嚢サッ)」

元親「…気のきくお孫さんだな」

元就「ふん、当然よ(ニヤ)」

元親「…つか前から思ってたが本当にあんた何歳なんだよ」

元就「………さあ?ひい、ふう、みい…よ、いつ」

元親「うん、止めてくれねぇか(汗ダラダラ)」

元就「はて…いつ頃からか天下は歳云々を気にしておれぬ状況よ、故に忘れたのやもしれん」

元親「いやそれでも分かるだろ」

元就「…かつて妙玖が年を明ける度に何故か餅をついていてくれたのは覚えているのだがな、これこれこのように(こねる真似)」

元親「どんだけあんた餅が好きなんだよ」

元就「妙玖が作った餅は格別であったわ(無視/シミジミ)」

元親「……へぇ(なんだ、こんな表情もできるんじゃねえか)」

元就「…何ぞ長曾我部、その何か微笑ましいものを見るような目は(ムッ)」

元親「いやぁその妙玖って人は大したもんだなぁと思ってな。あんたをそんな顔にさせるんだからよ」

元就「ふん(嬉しげ)」

元親「…あれ?」

元就「…む?」

元親「俺…何しに来たんだっけ」

元就「(ハァ)阿呆か貴様…我と貴様どちらが酒豪かの決着云々の話ではなかったのか」

元親「そう…だっけ?え、あんた俺と張り合うぐらい酒飲めたか?」

元就「…いや」

「「……………………………」」

元就「若造が早くから物忘れとは…四国の未来が心配よな(汗)」

元親「いやあんたも相当…ヤバいんじゃねえのか、知将が物忘れって…んんん??」


その日、元親はとにかく四国へ帰郷した。未だに何をしに行ったのか思い出せないまま…

元就「…ああ、同盟の話か」

数時間後、かの知将は思い出した。














※妙玖…元就の正室。 輝元…隆元の息子。つまり元就の孫。まだおチビ。




あきゅろす。
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