若殿




「…嫌なことを思い出させて…すまんな」

「…謝罪、不要。嫌では…無い」

「……そうか」


気を取り直し牙狗は兎汁をかきこんだ。…仮面を少しズラしたまま。


「…それ取れ(器用さを違うところに生かせ)」

「…俺の顔程食事時に気分を害するものは無いぞ」

「…(逃げたな)」



「…半蔵」

「応」


牙狗の茶碗に麦飯を盛る半蔵。(今度はちゃんと)


「…お前ももう少し食わねば身体が持たぬぞ」

「……(モグモグ)」

「身長も伸びぬし」

「(グサッ)忍に身長…不要なり」

「…負け惜しみか?(←180越え)」

「…不要(鬼の目再び)」

「…そういうことにしておこう(華麗にスルー)」


それでも密かに半蔵の茶碗に飯を山盛りに盛る牙狗。


「待て…」


牙狗、茶碗をズイ。


「…一緒に食える内に、な?」

「……(溜め息)」

「ホラ」

「……(モグモグ)」

「(ニコニコ)」

「……(たまには悪くない、か)」





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