出会いはナデナデ
ある日の夕暮れ時。

服部半蔵は任務を終え主である家康の下へ報告に行った模様。


「…主(畳の下から参上)」

「おお、帰ったか。…して」

「…ここに(文渡し)」

「うむ。よくやってくれた(手サッ)」

「…有り難き御言葉(タッチ)」

「…半蔵や、少し違うぞ」

「………?」

?「主殿は頭を撫でたかった様だぞ(ナデナデ)」

「…何奴(払いのけ)」

「何を言っておる、同僚の牙狗ではないか」

「…否…存じませぬ…(こんな派手な同僚は)」

「まあ最近は働き詰めであったか…うむ。半蔵や、今はゆっくり休んで思い出してあげなさい(ナデナデ)」

「主…(だから知りませんて)」

「思い出してあげなさい(ニコニコ)」

「…御意…」

「…では主殿、おやすみなさいませ」

「うむ(退出)」

「……(ギロ)」

「酷いな、俺を忘れるとは(…流石に鬼は騙せまいか?)」

「…おい」

「何だ」

「…主に危害を加えれば…滅す」

「主殿にそんなことはせぬよ」

「…………」

「…ところでお主、女はいるか」

「(何言ってんだコイツ)」

「いるのか、いないのか(ズイ)」

「…い…否(近…)」

「そうか…寂しい奴だな、連れ合いがおらぬとは(引き)」

「……(この野郎…)」

「まぁま、改めて親睦を深めようではないかまーくん」

「な…(まーくん…)」

「慰めに鯖の味噌煮くらいは作ってやろう、ホレ(引きずり)」

ズルズルズル

「……(何故だ、)」

何故先ほどから、反抗する気にならないのだろう。







「(まずは外堀からじっくりと攻めるしかあるまいか…延長給金、はずんでもらえるかなぁ。)」

「(でもあそこよりこっちの方が待遇いいんだよなぁ…どうしよう)」


その時、後の保護者の胸中は案外黒かった。かつ切実であった。



あきゅろす。
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