ファンファーレ


『三十分後ですよ、電車は……。あ!少年、今晩のコンサートに出ないのかな?きみにぴったりの演目だよ。“ヴァイオリニストの少年”』

『いいんだ。これから、友達と一緒に──“音楽を愛する者へ”を演奏するから』

カスタネットを鳴らしながら聞いて来た駅員さんにぼくは答えて、停まっている電車に乗り込んだ。

駅員さんはにっこり笑って、それに答えた。

『それも、いいね♪』



ぼくはやがて、駅の大音量の音楽を子守歌に眠りに就いた。おじさんとぼくが楽しそうに演奏してるのを思い浮かべながら──。


end.

純情メトロ
nagikaza.
2006.10.04



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