再会


『これ渡してくれないか?』

駅員さんはぼくにギターを見せた。

『これ……?』

『うん、その人がまえに置いていったんだ。息子のものだって。もし来たら返してやってくれって言ってたよ。結局来なかったな』

『ぼく、渡すよ。おじさんに』

駅員さんはにっこり笑って、ぼくにギターを預けた。ギターを受けとると、ぼくはもう改札口から引き返していた。

後ろの方では、色々な人の音色が聞こえて来る。



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